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日常生活は問題なく送れているものの、物忘れや約束の失念が増える…。そんな状態が認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)だ。放置すれば認知症へと進行するが、適切な治療や生活習慣の改善によって脳を健常に戻す道は残されている。60代で軽度認知障害と診断されながらUターンを果たした男性を例に、認知症を防ぐ生活習慣を専門医が解説する。※本稿は、認知症専門医の朝田隆『認知症グレーゾーンは分かれ道』(興陽館)の一部を抜粋・編集したものです。
認知症グレーゾーンは
まだ治療が間に合う段階
私のところへみえたAさんの話をしましょう。これはあなたにとってもとても参考になるケースです。
Aさんは60代になってほどなくした頃、奥さんに頼まれたことを忘れてしまうといった記憶力に関する自分の異変に気づきました。最初はど忘れかなと思っていたと言いますが、やがて人との約束を失念してしまったり、ダブルブッキングをしてしまったりするようなミスが続くようになりました。
いよいよおかしいと、ネットで認知症について調べたところ、もしかしたら自分は軽度認知障害なのではないかと察しをつけて私のところへみえたのです。
MRIと脳血流の検査の結果、認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)であることが判明しました。
告知した瞬間は「やっぱりか!」と天を仰いでいましたが、「認知症グレーゾーンならまだ間に合う」という私の説明をしかと受け止め、「信じて治療に臨みます。絶対にUターンして見せますよ」と宣言して見事に不屈の精神を貫きました。
こうして認知症グレーゾーンからUターンすることに成功したAさんは、70代になった今もバリバリ働いておられます。やはり「病気は気から」は本当なんだと私が確信できたケースでした。







