しかし、この前年比割れも時が経過すれば回復していく。8月、9月と着実に持ち直して12月にはプラスに転じ、原料などのコストが上がっていることに一定の理解が得られたのだ。
それがよくわかるのが、24年1月の再値上げだ。このときも全メニューの約3割に相当する商品の店頭価格を10~30円値上げした。ネットやSNSで「もう行きません」「この値段ならバーガーキングに行くだろ」とボロカスに叩かれたのだが、客数には影響がなかった。
4年間で3回も値上げしているマックはなぜ深刻な客離れが起きていないのか。人気の定番バーガー「ビッグマック」など23年には450円だったものが、今年はついに500円となった。値上がり率は約11%と消費税分を超えている。バーガーキングやモスバーガーもあるのだから閑古鳥が鳴いていてもおかしくないが、休日は行列ができるほど盛況だ。
なぜこんなことが起きるのかというと、「人は安さだけで消費をしているわけではない」からだ。
マックのゆったりできる店内が居心地がいい。家から近い。ポテトの味が好み。昔から食べているので味に慣れている。子どもが気に入っている…などなど消費者がマックを選択する「価値」はひとつではない。「安さ」というのも確かに大事な要素であり、それが全てだという人もいるだろうが、すべての消費者がそうではない。
人間の消費活動というのは、さまざまな要素が複雑に絡み合っているものなので、「安ければバンバン買いものをして、値上げすればソッポを向く」みたいな単純なものではないのだ。
実はこのような「世間のイメージと現実に大きなギャップがある」というのは、消費減税も同じだ。
消費減税で日本復活?
EUの失敗に学ばない日本
この政策に過度な期待をかけている人たちは、消費税をなくせば冷え込んだ消費がみるみると上向いて、カネが世の中にグルグルとまわって日本経済が上向くという。
ただ、それはあくまでイメージの話であって、現実はそんな派手なことは起こらない。







