例えば、クラシル株式会社(東京都港区)が運営する節約アプリ「レシチャレ」が実施した「家計と暮らしの意識調査」によれば、夫婦と子ども2人という4人家族が支払う食品消費税は年間「約5.4万円」だという。これが2年間廃止されるということはこの一家には「約10.8万円」の減税効果が転がり込む。
では、これで日本経済が上向くかというと難しい。形は違えど「10万円のバラマキ」を受け取ったことと同じであり、10万円ぽっちならせいぜい贅沢な食事に行くか、旅行費用に充てるだけでほとんどの家庭は貯蓄に回すだろう。当たり前だ。この減税をした2年後には「8%増税」が待っているからだ。
これにはちゃんと前例もある。
コロナ禍の際、EU諸国ではあちらの消費税にあたる付加価値税の時限的引き下げをした。消費を刺激して、売り上げが大きく落ちた外食やサービス業を助けようとしたのである。では、その効果はどうだったのかというと大したことがなかった。
東京財団政策研究所・研究主幹の森信茂樹氏が書いた「欧州の消費税減税はどう評価されているのか」という記事を引用する。
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引下げの効果についてシンクタンクの評価を見ると、消費税の引下げによる消費増の効果は限定的で、期待された効果は得られなかったと結論している。その主な原因は、引下げ分の一部が企業の手元に残ったことを指摘している。(Ifo「Has the Reduction in Value-Added Tax Stimulated Consumption?」https://www.ifo.de/en/publikationen/2021/article-journal/has-reduction-value-added-tax-stimulated-consumption)
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減税をしたことで、その恩恵を受けた人々が確かに存在している。しかし、それはしょせん「泡銭(あぶくぜに)」に過ぎないので、これからの増税に備える資金とされた。つまり、企業の場合は内部留保、家庭の場合は貯蓄である。消費減税では消費も旺盛にならないし、カネがグルグル回るということは起きないのだ。







