では、人間は何を学ぶべきでしょうか。世界経済フォーラム(WEF)の調査では、今後必要とされるスキルとして、技術スキル以外に、創造的思考、問題解決、コミュニケーション、リーダーシップといった「ソフトスキル」の重要性が一段と高まるとしています。
注目したいのは「スキルスタック」、すなわち、どのようなスキルを組み合わせて持っているかが市場価値を決めるということです。中でも、AIツール活用、出力の検証、判断プロセスの説明、ワークフローの継続的改善といった、「AIと協働する」ためのスキルが重視されるでしょう。
WEFは、2030年までに1.7億の新しい職が生まれる一方で、9200万の職が消失すると予測しています。この変化の中で生き残るのは、学び続ける姿勢を持つ人材です。
経営層の責任は、従業員がこれらのスキルを習得できる環境を整えることです。リスキリング(再教育)への投資、柔軟な働き方の導入、副業や外部連携の推奨──こうした施策が、AI時代の人材戦略の核となります。
AIエージェントとの「分業設計」
による組織の再定義
AIエージェントの導入は、組織のあり方そのものを根本から見直す機会となります。
文脈の共有、暗黙知の理解、一貫した目的の維持といったAIが苦手とする領域と、膨大なデータの処理、複雑なパターンからの洞察、そして人間には思いつかない解決策の提示といったAIが得意とする領域とのギャップを埋め、力を最大限に引き出すのが、これからの人間の役割です。それは「ジェネラリスト」と「プロダクトマネージャー」という2つの役割に集約されます。
新しいジェネラリスト/プロダクトマネージャーに求められるのは、専門的な核を持ちながら、AIを活用して行動範囲を拡大すること。そして組織全体で人間とAIの最適な分業体制を設計し、チームを率いることです。
さて、あなたの組織において、この重要な「分業の設計」を担うのは一体誰でしょうか。
(クライス&カンパニー顧問/Tably代表 及川卓也、構成/ムコハタワカコ)







