また、顧客とのコミュニケーションに加えて、案件ごとに組成されるチームで協業をしていくスタイルであるがゆえに、社内コミュニケーションについても理解をしておきたい。

 若手層の場合は、上司となるシニアコンサルタントやマネージャーと日々の業務に関してやり取りをすることが多いと想定されるため、スムーズに業務を進められるスタンスが好まれる。中堅層であれば、入社直後ではないにせよ早期から部下をマネジメントする役割も期待されるため、OJT経験や育成・マネジメント経験を元にプロジェクト推進の中心となる必要がある。

営業経験を過信する人が
ハマる“落とし穴”とは?

 営業で培ったコミュニケーション力が生かせるとはいえ、「現職の営業スタイルのまま面接に挑む」のはNGだ。

 例えば、to C向けの営業経験者であれば、to B向けにフォーマルな形式での会話を意識すべきであることは理解しやすいであろう。また、to B向けの営業だったとしても、中小企業経営者に対しての営業経験者であれば、目の前の意思決定権者を説得するスタイルから、承認や決裁フローの複雑なエンタープライズ企業の部長・課長クラスなどの役職者に対してプロジェクトの背景やその後の決裁者にどう説明するかなどを踏まえたコミュニケーションスタイルを取るべきであろう。

 現職での営業業務において何は生かすことができ、反対にどのポイントはチューニングすべきなのかを踏まえた上で、面接内で「コンサルタントとしてふさわしい」コミュニケーションスキルをアピールできるかどうかが重要だ。

 相手の質問に対して必要十分な分量で回答ができるか、抽象的な質問に対して構造的に回答できるか、表情や声のトーンはどうかという非言語的な観点など、要素を挙げ始めるとキリがないが、「コミュニケーション力を武器にコンサルタントとして活躍できる」と判断されるかどうかに尽きる。

 実際に営業職から選考を突破された方々に対しては「コミュニケーション力が強く、顧客とのミーティングにおいてファシリテーションができるイメージが湧いた」や「信頼関係構築力が伺え、クライアントの懐に深く入り込める」というようなフィードバックをいただくことが多い。

 自身のこれまでの営業スタイルとコンサルティング業務の差分を埋めながら、支援実績が豊富な転職エージェントを通じて、自身の克服すべきポイントを明確にした上でトレーニングに励むことがベストである。

 営業職からキャリアチェンジをし、コンサルタントとしての経験を積むことは年収やその後のキャリアの幅広さといった面で魅力的であることは疑いようのない事実である。しかし、その分転職者からの人気も高く、選考の難度は高い水準を保っている。

 多くの方は現職での業務にプラスアルファをして転職活動を進めていく分、負荷も大きくなり、そう何度も機会がある訳ではない。だからこそ、「成功パターン」と「失敗パターン」を理解することで、転職活動を成功に導く一助としていただきたい。