「会社の資源をうまく使う」という発想で
働き方が変わる

「法人実在説」がいうように、会社は、様々な社会の要請にこたえるために諸々の資源を持っています。だからこそ重要なのは、「会社に使われる」という受け身な姿勢ではなく、「会社の資源をうまく使う」という発想がポイントになります。

 会社が幻想だからといって、手を抜いてよいわけではないのです。

 働く個人にベクトルを合わせると、「会社の中でどう評価されるか」という問いが、「どうすれば自分は会社に貢献できるのか」「会社の外でも通用する力量があるのか」という問いに変わります。

 まずは、社内のプロジェクトを通じて経験値を高める、営業で対外交渉力を高める、組織マネジメントを通じてコミュニケーション力を磨くなどなどです。

 そして、信頼を積み重ねる、成果を出す、後進を育てることを通じて、自身の学び直し、他の仕事への可能性や、人脈の再構築などに結びつけることが大切でしょう。「会社を、自分の人生戦略の一部に組み込む」視点が大切だと考えるのです。

 かくいう私自身も、40代後半で会社員生活に行き詰まりを感じた時期がありました。当時、会社は重荷でしかありませんでした。

 ところが、著述業や執筆活動などを並行して始めると、「会社ほどよい場所はない」と思うようになりました。会社の在り方は何も変わっていないのに、私の行動や捉え方が変化すると、会社に対する見方も大きく変わりました。面白いものです。自分でも大変驚きました。

 会社はあなたの人生を保証してはくれません。組織が合理的に動くときは、個人の忠誠心は考慮されません。また定年などで会社を離れた時には、会社はそれほど実態のあるものではなかったと気づきます。

 会社が幻想の集合体であると理解できれば、出世や評価に過度に振り回されなくなります。余計なプレッシャーから解放され、目の前の仕事や人との関係に集中できるようになります。

 そうすれば、新たな人生の次のステップも見えてくるかもしれません。

「会社は所詮、幻想」なのです。    

(構成/フリーライター 友清 哲)