ましてや、話すテーマが決まっていなければ、「今週の進捗は?」「困っていることはない?」といった表面的な内容や問題の確認だけで終わってしまいがちです。あるいは、「最近どうですか?」といった漠然とした問いを投げても、部下からは「特に変わりありません」と返ってくるだけ。これでは、部下の側も「話すことがない」と感じてしまいます。

「上司2:部下8」で
ポジティブなトークを

 本来の1on1ミーティングでは、話そうと思えば実はいくらでも話すネタがあるはずです。

 1on1ミーティングの基本アジェンダはだいたい決まっています。たとえば、(1)共有したいこと、(2)議論したいこと、(3)その他、とある程度、意識的に構造化して話せばメリハリがつきます。このうち(1)と(2)は業務に直接関係する内容なので、「働きやすい環境」をつくるために、そこで引っかかっている壁があったらそれを取り除くように支援します。

 ここまでで30分を使うことはあまりなく、残りの時間は相手の反応を見ながら対話をする時間にあてます。雑談として終わる場合もあるかもしれませんが、それでもいいのです。なんとなく対話をしているなかで、「そういえば実は……」と話し出すことがあったらしめたもの。本人の中でもそこまで強く意識していなかったことで、対話をしているうちに思い出してくることがあります。そういうきっかけをつくる機会でもあるのです。

 Googleでは「最近、がんばっていることは何?」「いま一番情熱を傾けているタスクは?」といった「ポジティブな感情や、未来に向かう前向きなエネルギーを引き出す質問」がよく使われていました。会話で話す時間の比率も、気をつけていないと「上司7:部下3」程度になりがちですが、Googleの体感では「上司2:部下8」くらいを目指していました。

問いかけを変えることで
部下の思考の補助となる

 そもそも、部下が相談してくるトピックの多くは、はっきりとした「正解」がないものです。