締め切りを守れない社員の
「先延ばし問題」解決法

 そして最後に、「脱線防止」です。ここで部下がつまずいている場合には、職場の環境を見直します。

 外部の業者や顧客がひっきりなしに訪れるカウンターに近い場所、外線電話がたびたび鳴る場所、たとえ業務上の話であったとしても人の話し声に囲まれている場所などは、集中力を途切れさせる環境といえます。

 抑制制御障害(編集部注/他のことに気がそれてしまい集中力が保てない性質)のあるタイプの部下の場合には、基本対策として「本人が我慢するより誘惑の少ない環境にする」ことが推奨されます。

 ケアレスミスを起こしやすいタスクを行うときには、自分のデスクを離れて、会議室で行う許可を出すという配慮も有効でしょう。逆に完全個室で誰の目もなく管理が行き届かないことについても、見直すほうがいいでしょう。席の配置を工夫したり、30分ごとの定期報告を求めるのもいいでしょう。

 ざっと大まかにお伝えしてきましたが、実行機能モデルを使えば、どこでつまずいているかがスムーズに聞き取れて、かつぴったりの対策を提案することができるのです。ちなみに、この実行機能モデルを用いると、締め切りまでに書類が提出できない人も下の図表のように分析できます。

図・ADHDで締め切りを守れない職員同書より転載 拡大画像表示

 先延ばしの問題で特に確認しておきたいのが、「完璧主義」の問題です。「とりかかり」時点において「壮大すぎるゴール」を描いていないか、それで「手に負えそうにない」「私には無理」と不安になっていないかを部下に尋ねるのです。

 YESという答えが返ってくるのであれば、課題を細かく分けて手に負える大きさにして、ひとつずつこなすように伝えるといいでしょう。図表の右側に示しているのが、つまずいたステップごとにとっておきたい対策例です。