2024年はDH専門だったところから、2025年にあらためて二刀流選手として適応しなければならなかったことの難しさについて問われたのが3問目だったが、同じく大谷は短く一蹴した。
「また僕が同じ答えを繰り返しているように聞こえるかもしれませんが、そこが僕の現状につながったとは思っていません。シーズン全体で見れば、打撃のほうでもいい成績が出せたと思いますし、シーズンを通してチームに貢献もできたと思います。ですから、前に話したのと同じ答えになります」
日本側の記者団を相手とした大谷の質疑応答で、デーブ・ロバーツ監督がNLCS(編集部注/ナショナルリーグの優勝決定戦)前に話した「ショウヘイの打撃があの調子なら、われわれはワールドシリーズを勝ち抜けない」という言葉についてどう思うかと問われた。
「ということは、もし僕が打てばワールドシリーズ優勝じゃないですか」
大谷は日本語で答え、アイアトンがこのやりとりを英語に訳すことはなかった。(編集部注/書籍『SHO-TIME4.0』では、アメリカ人野球記者が英語で書いた本文を日本語訳している。実際の大谷の発言は「逆に言えば、(ロバーツ監督は大谷が)打てば勝てると思ってるのかなと思うので。頑張りたいなとは思っています」)
スランプを脱するために
導入した新しいルーティン
彼はオフの日にもやるべきことがたくさんあった。会見を終えたあとに、大谷は次の先発登板に備えてブルペンで投球練習を行った。それから、ドジャースの全体練習がひと段落して、大谷のテーマソング、マイケル・ブーブレの「Feeling Good」が空っぽのドジャー・スタジアムに大音量で流された。
大谷は滅多にフィールド上で打撃練習を行うことがない、というか、ほぼ皆無だった。
スタンドの下にある打撃ケージのプライバシーが確保された環境で、スイングを調整するのが常だった。そこでは、ドジャースが導入しているテクノロジーによりフィードバックがその場で得られて、たとえばバットスピードとか、スイング軌道、打球速度などのデータが確認できるのだ。
ほかのフレディ・フリーマンやテオスカー・ヘルナンデスといった選手も、フィールド上よりケージ内で打撃練習と調整を好む傾向がある。
20打数3安打、12三振という大谷の不振は、ワイルドカードシリーズでの対レッズ戦の2本塁打以降、続いていた。何かを変えなければならないのは確かだった。







