ロバーツ監督と数人のチームメイトたちが声援を送るなか、大谷は打席に立ち、ドジャー・スタジアムライト側のパビリオンに続々と大飛球を突き刺していった。写真と映像の担当者たちが、この場面をとらえようと殺到した。
「少し改善するために、ほんの少しサイクル、ルーティンを変える必要があったんだよ」
打撃コーチのアーロン・ベイツが、ミルウォーキーとの2戦から戻ってくる機上で、大谷からのテキストのメッセージを受け取り、それでオフの日に屋外で打撃練習をしようということになったようだ。
「普段なら、いつも通りのオフの1日を過ごしたと思う。チームで軽く体を動かせばそれでいいんだけれども、今回はたまたま周りに人がいなかったから、フィールドで打つにはちょうどよかったということだね。要は、普段とは少し行動を変えるということ。普段の彼はもっと気軽に、特にオフの日はものごとを深刻に捉えないタイプなんだけども、今日は違う雰囲気で新しいルーティンを試してみたかったということじゃないかな」
大谷は全部で32スイングを行い、うち14球をスタンドに放り込んだ。しかも、そのうち1球は本塁から440フィートのパビリオンの屋根に到達した。
誰もが思い出せる限りの中で、大谷がドジャー・スタジアムのフィールド上で打撃練習をしたのはチームと契約して以来、初めてのことだった。
「打撃練習で最初の数ラウンドは出来がよくなかったけど、ある瞬間から突然、打球がレフトへ、ライトへと面白いように飛ぶようになったね」
マックス・マンシーが振り返った。
「ショウヘイの頭の中で、どういう考えが渦巻いていたのかはわからないよ。ただ、オレの口から言えるのは、チーム全体が居残ってあいつの打撃練習に見とれていたということだよ。もうそれだけで、この意味は伝わるんじゃないか」
NLCS第3戦の初打席で三塁打を放ち
チームに大きく貢献した大谷
大谷に復調の兆しが見え始めたのは、ミルウォーキーでの初戦と第2戦だった。







