「こういう二刀流の選手を手術から復帰させるためのテンプレートとかロードマップを、われわれは経験としてもっていない。だから、本人の経験や感覚から学び、本人がどう感じているかを尊重しながら徐々にやっていくしかないんだ。
それに例の左肩の手術、その問題にも合わせて対処しつつ、打撃も開幕に合わせて準備万端にしないといけないし、言うまでもなくショウヘイはチームの攻撃陣の中でも重要な位置を占める存在だからね。私の見るところ、ショウヘイはDHとしてやっていけるよう最終調整の段階に入っていて、あとは微調整だけというところまで仕上がっていると思う。
これから日本に行くことを考えたときに、公式戦が始まったあとにプレシーズンに戻るという変則日程で、調整が大変になる、つまり開幕後に一度“負担軽減”をしてから再び状態を上げて実戦に向かっていく。アメリカに戻ってきてまた投げ始めるので、投手としてはもう少し余裕をもたせた調整ができるようになると思うよ」
大谷本人はチームが東京入りするまで、この件について報道陣の前で語ることはなかった。
あの時点で、彼本人はこの決定を「一呼吸入れる」という表現を使い、2023年の肘手術以降、特に後退することなく、順調にリハビリが進んでいるからこそこの決断ができたのだと強調した。
「僕としてはこれからシーズンが開幕するので、まずは打撃を最優先にして、ピッチャーとしては心理的にも肉体的にも一呼吸入れたいということです」
彼は通訳を通じて答えた。
「これは計画通りの動きで、今の進捗には僕も満足していますよ」
理想通りに進まなくても
いつかまた別の道が開ける
ドジャースは2024年にも大谷の投手復帰計画を「一旦停止」したことがあった。
レギュラーシーズンの最終盤にはブルペン投球できるところまで進展していたのだが、ドジャースがポストシーズン進出を果たしたこともあって、一旦投手としての練習をやめて打撃のみに集中したことがあったのだ。







