つまり、ドジャースはそのときと同じことを繰り返しているのであり、もともと予定されていた5月半ばの投手の本格復帰を少し遅らせることになったわけだ。プライアーは話す。

「すべてが理想通りに進んでいるわけではないよ。前年のポストシーズン中と今回と二度、リハビリを一旦休止している。だけど、やっていればまた別の道が開けるものだよ。個人的にもプロとしても、今までに経験したことがないし、どうすればうまくいくか手探りしているところだよ。ショウヘイの置かれている状況はあまりにも特殊で、考えなければいけない変数がたくさんあるんだ。

 だからこそ、いかにオープンマインドになって事態を受け止めるかと、慎重になりつつも前向きになることと、そこから正しいアプローチを取ることが大切なんだ。繰り返すけれども、ショウヘイの現状はほかに前例のないもので、まず本人が気持ちよくやれるようにしてあげるのが最優先なんだよ」

 そこで、プライアーはのちに深く悔やむことになる失言をしてしまった。

「われわれは元来の先発5人のローテーションの一角になることを求めてはいないんだよ」

 これは、これから始まるシーズン中に何人もの投手たちが故障して戦線を離脱してしまうことを予期していなかった。

「その意味で、ショウヘイは元来の先発投手の役目を果たすことにはならないんだ。まあ週に一度先発してくれて、シーズン後半の頃合いを見計らっていざというときに出力を最大限にしてくれればいいと思っている」

 大谷はチームが日本から戻ったあとにマウンドへ戻り、4月3日にブルペンで26球を投じた――この日はシーズン初となる遠征に出発する移動日の前日だった。ここで特筆すべきは、この投球練習の中で何球かスプリットを混ぜたことだった。

 計画では、大谷は1週間に一度ブルペンで投球練習することになっていて、それは復帰後の先発ローテーションの間隔に合わせるものだった。