しかし、この「わからないことがあったら聞いてね」という声かけは、じつはかなり不親切なものです。
教える側の上司や先輩の立場としては「自分は仕事にも慣れてきているから、何を聞かれても大体答えられるだろう」と思っているのですが、この時、新人という立場にあった頃の自分の気持ちをすっかり忘れてしまっているのです。
新人の時には文字通り、右も左もわからない状態で、そもそも「何がわからないかもわからない」状態にあることもしばしばです。
職場でも、学びや勉強と同様に「何がわからないのか」を探し当てることが必要になります。
上司として部下に指示や指導を行なうのであれば、「若い頃、この仕事に就いてすぐの頃には何がわからなかったか」や「当時の上司から言われてわからなかったこと」を思い出し、どのようにそれがわかるようになったのか、どうすればわかるようになるのかを思い出す必要があります。
そもそも、上司や先輩の立場にある場合に考えなければならないのは、「わからないことがあったら……」と言う前に、自分の部下や後輩に対する指示が具体的なものになっているか、です。
仕事を具体化して指示しないと
「わからない」は解決しない
「電話番として、かかってくる電話が誰からのもので、誰宛てなのかを記録したうえで電話を取り次いでください」とか「今から取引先の〇〇株式会社に行って、△△さんという人に資料を渡してきてほしい」とか、具体的な指示を出す。
そのうえで、「この指示を受けて作業をこなすにあたって、わからないことが出てきたら、その都度聞いて」と声をかけなければなりません。
このように、指示内容を具体化することは、新人教育以外でも必要です。
職場では「部下への指示の仕方、仕事の教え方がわからない」まま、年次を重ねてしまう人がいます。
「これ、バーッと適当にやっておいて」「やり方は見ていたからわかるでしょう」「普通にやればできるから」などと、おおざっぱな指示しか出せない人も少なくありません。
これはそもそもの話として、仕事の仕方の具体化ができていないことにその原因があります。







