このように漠然とした指示をしておいて「わからないことがあったら聞いてね」と付け加えても、言われたほうとしては「わからないこともなにも、1から10までわからないよ!」となるのも無理はありません。

 この場合にもやはり、「自分はわからないことに対して、どのように取り組んで解決してきたのか」「その時に、上司や先輩は自分にどのような指示やアドバイスを出していたのか」を客観的に振り返り、職場の「わからない」ことを分析する必要があるでしょう。

 元より新人の頃には、どんな職場であってもいきなりベテランと同じような仕事をこなすことはできません。まずはコピー取りや電話番など、アシスタント的な仕事からこなしていくのが通常です。

新人に教えるべき
“雑用担当”の意味合い

 一方、新人の頃には「こんな下働きではなく、早く現場に出て自分の力を試したい」と思うものです。

 しばらくするうちに、「一体いつまで、自分はこの無意味なコピー取りをし続けなければならないんだ!」と不満がたまるかもしれません。そうこうしている間に、本格的な仕事を教える前に「ここでは自分の力が発揮できないので」と退職してしまう若手も少なくありません。

 こうした事態にならないためにはどうしたらいいのか。

 じつは先にも述べたような「わからない」ことがもたらす不安が、若手社員を覆っているのだと気づく必要があります。コピー取りや電話番をやらされることに、一体何の意味があるのか。いつまでこんな日々が続くのか。先が見えない、わからないからこそ不安になるのです。

 そうした不安を解消するために必要なのは、今やらされている仕事にどのような意味があるのか、どのくらい続くのかを前もって具体的に説明することです。どのような状態になったら本格的な仕事を手掛けることができるのかを、先回りして示すことです。

「こういう仕事を今から頼むけれど、それにはこういう意味がある」「こうした積み重ねをすることで、現場に出た時の状況が把握しやすくなるんだ」などと言われれば、今やっている作業が必要な理由を理解でき、それが将来につながるというイメージを持てるのです。

 それによって、「一見無駄に思えるこの作業にも、仕事としてやりがいがあるもの」と思えれば、モチベーションを保つこともできます。