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コスパやタイパが重視される現代、答えの出ない問題に向き合うのは時間の無駄だと考える人が増えている。しかしそこには、予期せぬ発見や豊かな人生が待っているかもしれない。ジャーナリスト・池上彰氏が、自身の経験を通じて「わからない」ことの価値を語る。※本稿は、ジャーナリストの池上 彰『考える力 「わからない」から始める思考入門』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
「わからない」ことを排除せず
「わかる」ために行動してみる
昔の人たちも、「人はなぜ生きるのか」「よりよく生きるとは何か」など、答えの出ない問題を考え続けてきました。それが学問になったのが哲学です。
今は、コスパやタイパといわれるように、費用対効果や効率性が重視されるようになり、「答えが出ないような問題、正解がわからない問題を考え続けるのは時間の無駄だ」と考える傾向が強まっているようです。
社会の大きな解決困難な問題に挑んで悩むよりも、今の自分がどうやって効率よく成長できるかを考えたほうがいい、というわけです。
あるいは、物語を楽しむ際にも、それがハッピーエンドなのか否かを事前に知っておきたいという人もいるようです。ネタバレを求めるというのです。「思っていたのと違った」という失望感を覚えることは、損した気分になるということなのでしょう。
同様に映画なども、流行して多くの人が面白いと言っていることがわかって初めて観に行く、という人もいます。
「映画を観に行ったけれど、外れだった」ということになれば、コスパもタイパも悪いからです。







