定年退職後、退職金を得た夫が、妻とどこかに旅行に行きたいと考える。その時に、「船で世界一周なんて、夢があるよね」と考えるのです。妻からすれば定年退職した夫が毎日家にいれば、毎日三食準備しなければなりません。
しかし船に乗れば、その間は家事をしなくて済むわけですね。ピースボートは「飛鳥」のような豪華客船よりずっと格安に乗ることができます。
私はさすがに世界一周こそしませんでしたが、どこから乗ってどこで降りるかは相談できるので、寄港地を選んで行きたいところへ行き、自分の取材旅行を兼ねていました。
これを使って、パレスチナの難民キャンプを訪れたこともあります。南アフリカの黒人居住地でホームステイも経験しました。思いもよらない依頼によって、思いもよらない体験をすることができたのです。
先がわからないからこそ
人生は楽しい
「知りたい」という欲求に従うのもよし、「知らなかった」ことに興味を持って乗っかるのもまたよし。自分の心の動くままに、足を動かしてみる。そうすると、予期せぬ「わかった」に出会い、その出会いが人生をより豊かにするかもしれませんよ。
思いがけない出会いが、自分の見聞を広げてくれる。
それにより、今まで知らなかったこと、わからなかったことが見えてくる。
これほど楽しいことはありません。
もっとも、「先がわからないからこそ、人生は楽しいんだ」と考えるような人でなければ、会社を辞めてフリーになるという選択もしないわけですが。
私も2025年夏で後期高齢者の仲間入りをしました。
『考える力 「わからない」から始める思考入門』(池上 彰、PHP研究所)
「それにしては、お若いですね」と声をかけられることもありますが、アメリカの作家マーク・トウェインの名言に、「お若いですねと声をかけられたら、それはあなたが年をとった証拠だ」とあります。
それはそうですよね。若い人に「お若いですね」などと言うことはないからです。
最近私は、後期高齢者とは「好機幸齢者」と書くのだ、と思うようにしています。
好奇心いっぱいにさまざまな挑戦をする。それができるのが、「好機」というチャンスであり、そんな幸せな年齢になったのが「幸齢者」だというわけです。
いろいろなことに挑戦するからこそ、新たに「わからない」ことが出てくる。それをわかろうとすることで、新たな発見がある。
いくつになっても、そんな人生を歩んでみませんか。







