(5)安定性
仕事の本来の目的は生活の糧を得ることなので、生活が保証されるような、安定した仕事を望む人が多いのは、当然のことだ。
情報社会の進展により、ほんの数人でも簡単に起業できる時代となり、組織に無理に所属しなくてもよいということで、独立する人が多くなった。その一方で、相変わらず公務員や大企業の人気も根強く、安定志向の人はいまだに多数派を占めている。だが、AIの劇的な進化により、ますます先が読めない時代になっており、安定した就職先はどこなのかを判断するのが非常に難しくなっている。
そのため、安定志向が強く、リスクを極力避けたいというタイプは、手堅い職を得るのに苦労せざるを得ない。
(6)高収入
どうせ仕事をするなら、報酬が高い方がいい。それはだれもが思うことだ。迷うのは、高収入にリスクが伴う場合である。
給料やボーナスは非常によい代わりに、いつ廃れるかわからない仕事。歩合制で、成果を上げれば非常によい報酬となるが、成果が上がらなければ平均以下の報酬に甘んじなければならないという仕事。高収入なのは間違いないが、ちょっと世間体の悪い仕事。そのようなケースでは、あくまでも高収入を狙うか、それともあまり高収入とは言えないがもっと手堅い仕事を選ぶかで悩むことになる。
職場環境・評価制度が左右するもの
(7)福利厚生
社宅や住宅手当、保養所、スポーツ施設補助、有給休暇制度など、福利厚生の充実は、安心して働けるような環境を従業員に与えるものと言える。
安心して暮らすための保証を仕事に強く求めるタイプは、安定性とともに福利厚生の充実を求めるものである。そのようなタイプは、居住環境や健康づくり、レクリエーションなど、仕事そのもの以外の面で個人を応援してくれると思えば、仕事もやる気になれる。
(8)人事評価
人事評価の公平性はだれもが強く求めるもののはずである。
頑張ったら報われるという基本原則が機能することが、やる気を持続させるためには大事である。頑張ったのに評価されない、同僚より自分のほうが業績がいいのに向こうばかりが登用される。そんな思いがあると、組織に対する不信感が強まるばかりで、モチベーションは上がらない。
とくに社内での昇進を目標にしていて、上から認められたいという気持ちが強いタイプの場合、人事評価に一喜一憂しがちだ。一方、社内での昇進には無関心で、帰属意識の薄いタイプの場合は、人事評価にはほとんど無関心でいられる。ただし、人事評価のシステムが不透明で、上層部の好き嫌いで昇進や特別昇給などが決まるとなると、多くの人はやる気をなくしてしまうだろう。
(9)仕事や職場の社会的評価
人はだれでも世間体を多少なりとも気にするものである。どこまで意識しているかは人によるが、世間体というのは、現在の仕事や職場についての満足度にも、職探しの際にも、知らず知らずのうちに影響を与えている。
収入がそこそこよくて、雇用の安定性にも不安がないといったケースでも、仕事内容が人に誇れるものでない場合、つまり社会的評価の低い仕事の場合、肩身が狭く、仕事がコンプレックスになってしまうことがある。また、見栄っ張りな人や親族に世間体を重視する人がいる場合などは、だれも知らないような会社であること自体がコンプレックスになることもある。







