やりがいと成長を求める世代の本音
(10)仕事のやりがい
榎本博明『すぐに「できません」と言う人たち』(PHP新書)
戦後の復興期から高度経済成長が実現するまでの時代には、潰れない会社に入ること、昇給があり安定した暮らしが保証されるような会社に入ることが、多くの人の目標だった。だが、しだいに経済的な保証よりも仕事のやりがいを求める人が多くなってきた。それだけ人々の欲求が高度なものに移行してきたということができる。
仕事にやりがいを求めるというのは、きわめて正当な姿勢と言える。ただし、今の仕事にやりがいが感じられないといって転職を希望する人たちの話を聞いたり、どんな仕事ならやりがいが感じられるのかがわからないといって職探しで迷っている人の話を聞いたりしていると、仕事のやりがいというものがはっきりしないままに不満ばかりを募らせているといった感じもある。
1番わかりやすいのは、世の中の役に立っている、だれかの役に立っていると感じられることだろう。一所懸命やって、成果が出るというのも、やりがいにつながるはずだ。
(11)成長の実感
仕事を通して自己実現したいという欲求をもつ人にとっては、仕事に取り組むことで自分がどのように変化し成長していくかが重要になってくる。
その場合、仕事に一所懸命に取り組むことで、対人スキルが高まっていく、専門領域の知識や技術力が高まっていくなど、自分が成長していると実感できることが必要不可欠な条件となる。いくら収入がよくても、福利厚生が充実していても、潰れる心配のない安定した会社であっても、自分の成長につながる仕事と思えない場合は、不満が溜まってくる。
採用と定着にワーク・バリューを生かす
以上のようなワーク・バリューのさまざまな要素を念頭に置いておけば、目の前の人物がどんなことに不満をもちそうかを判断し、職場環境や仕事の与え方を改善していくことができる。
また、採用の際にも、目の前の人物が自分の組織や職場に適応していけそうかどうかを判断する助けになるはずである。







