◆「分かりました」と笑う部下ほど危険? 優秀なマネジャーが実践する“問い直し”の極意
部下が動かない、Z世代との距離感がつかめない……そんな悩みを解決するのが、ソフトバンク「汐留の母」と呼ばれた澤田清恵 著『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』だ。生身のリーダーに求められる最強の武器は、生成AIには代替できない「コミュ力(共感力)」。同書をベースに、表面的なテクニックではなく、心・技・体を整え、信頼で組織を動かすための実践的ノウハウを紹介しよう。

部下が突然辞める…痛い上司がスルーする“7つのサイン”とは?Photo: Adobe Stock

見えないギャップをどう見極めればよいのか?

部下との1on1や面談の席で、「分かりました」「大丈夫です」という言葉を引き出せたものの、後になって行動が伴っていなかったり、突然の不調や離職を招いてしまったりした経験はありませんか?

マネジメントにおいて部下の言葉を信じることは大切ですが、時には発せられた言葉と本音の間にギャップが生じているケースも少なくありません。では、その見えないギャップをどう見極めればよいのでしょうか?

言葉の裏にあるSOSをどう見極めるか?

ここで役立つのが、「ノンバーバル(非言語的)なサインの観察」です。部下は上司に対して、心配をかけまいと気丈に振る舞ったり、評価を気にして本音を隠したりしがちです。しかし、どれだけ言葉で取り繕おうとしても、人間の心と体は密接につながっています。そのため、言葉と感情にズレがあるとき、無意識のうちに違和感が「態度」や「しぐさ」として表れてしまうのです。

次のような変化が見られたら、それは本音が漏れ出している兆候かもしれません。

本音が漏れ出す「7つのサイン」

面談や日常の会話の中で、部下に以下のような様子が見られないかチェックしてみてください。

目を逸らす
表情が引きつる/固まる
話題を急に変えたがる
声のボリュームが不自然に変化する
姿勢が崩れる、落ち着きなく手足が動く
笑っているが目が笑っていない
「えっと」「まあ」「とりあえず」といった曖昧なつなぎ言葉が増える

一見すると些細な変化ですが、これらは「頭で組み立てた建前」と「心で感じている本音」が葛藤しているときに起きやすい代表的な反応です。

表層の言葉に惑わされず、内面に寄り添う

こうしたサインに気づいたとき、マネジャーとしてどう振る舞うべきでしょうか? もちろん「目が泳いでいるから嘘をついているな」と問い詰めるのは逆効果です。大切なのは、あなた自身の心の中に「本当にそう?」という問いを持つことです。

「大丈夫です」という言葉で対話を終わらせるのではなく、こうした非言語の変化に気づければ、「本当にそう?」という問いを心に持ちつつ、表層の言葉に惑わされずに、相手の内面に寄り添うことができるようになるのです。

「もしかして、少し懸念点がある?」「やりにくい部分があればサポートするよ」と、視点を変えて優しく投げかけることで、部下は「自分のことをよく見てくれている」と心理的安全性を感じ、本音を打ち明けやすくなります。

真の共感力とは、言葉の奥にある感情に気づく力です。ぜひ日々のコミュニケーションに「非言語サインの観察」を取り入れ、強固なチームづくりに役立ててください。

※本稿は、『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』(ダイヤモンド社)をもとに作成しました。