安倍首相はまるで東芝と日立の「原発推進セールスマン」
――原発再稼働の動きにも強く憂慮を表明されていますね?
2012年の政府の原発意見聴取会では67.9%の国民が「原発ゼロ」を支持し、かつ福島の後処理は全くできていません。汚染水は太平洋にまで流出しております。除染もできておらず、使用済燃料棒の処理方法もできていません。
今後の事故に備える保険システム構築など議論もされていません。東電は国民負担5兆円でも処理できず、最終的にはさらなる負担が必要でしょうが、未だ法的処理もなされておらず、株主も、債権者も責任をとっていません。
それなのに、大手銀行は臆面もなく役員賞与の増額などしております。東電は「汚染東電」と「クリーン東電」に分離し、前者は株主、債権者が損をとり、その上で国民負担を求める、また「クリーン東電」には今後の電力供給を原発を除いて推進させるというような処理が正しいと考えますが、債権者の銀行主導の後処理は、曲がった形になっていると考えています。
こうした点を批判する声はかなり上がっていますが、自民党政権では、その声は無視されるでしょう。後ほどひっこめましたが、「未だ死者がでてない、原発は廃炉を考えなければ安い」というような政調会長コメントが本音だと思います。『55年体制派』は原発安全神話の復活が一番望ましいのです。
民主党の福島選出参議院議員の増子輝彦議員は3・11が起こるまでは原発輸出推進に努力されていましたが、3・11日以降すっかり方向転換されました。これがあるべき姿です。
これまでの安全神話を復活するのではなく、十分に現状を見つめ、過去を反省し、行為を改めることが大事で、それなくして進歩はありません。
しかし、安倍首相はまるで東芝と日立の「原発推進セールスマン」のように、この安全を保証できない商品を売りまくるために世界を歩いています。
ここに私は落胆と怒りを持ちます。