「金への投資はほどほどに」の理由

「有事の金」というように、中東情勢を受けて再び金価格が動いている。2025年に大きく上がった金は注目を集めたが、本来なら金利が上がるタイミングでは金投資の旨味は薄れるといわれている。利息や配当が受け取れる資産の方に預けたほうがいいと言われるからだ。

 金には利息もなく、配当も出ない。いくら値上がりしても、保有しているだけでは利益を受け取れない。金の現物は、いわば美術品や骨董品のコレクションのようなものと考えたほうがいいかもしれない。

 このように、本来利上げは金にとって逆風のはずが、現状はどうも違う。先に書いたように、世界情勢が不安定であること、米国から距離を置く国が米ドル以外の決済手段として金を買っていること、インフレに強い実物資産であることなどが理由と言われている。また、米ドルに対し円安では円建ての金価格が上がることもある。

 利息を生まない金は、長期で保有しても複利で増えていくなどということはないので、いくら価格が上がっていても、ほどほどの投資額にしておく方がいい。金融商品というより、いざという時売りやすい金アクセサリーをコツコツ買う程度でもいいのではと個人的には思う。

 この先も金利が上がるかは、経済状況にリンクする。4月の賃上げが順調に進めば、日銀は次の利上げに踏み切りやすくなるだろう。

 ただし、世界情勢の雲行きは怪しい。トランプ関税の行方は不透明だし、中東紛争が長引けばエネルギー高や経済停滞を引き起こしかねない。