
元NHKキャスターとして「おはよう日本」「首都圏ネットワーク」などに出演し、現在はフリーアナウンサーとして多方面で活躍する牛窪万里子さん(株式会社メリディアンプロモーション代表取締役)。牛窪さんは、『なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方』など、多くのビジネス書も執筆するなど、言葉と表現によるコミュニケーションのプロフェッショナルだ。そんな牛窪さんによる連載「いま必要な“組織を活性化する”コミュニケーション」の第6回をお届けする。(ダイヤモンド社 人材開発編集部)
*連載第1回 報道現場から学ぶ、チーム活性化のための“3つのコミュニケーションスキル”
*連載第2回 人と人の信頼関係をつくる“フィードバック”――その6つのポイント
*連載第3回 世代間コミュニケーションのギャップをなくすために、私たちはどうすればよいか
*連載第4回 牛窪流コミュニケーション術――質疑応答の時間が深くなる“質問の方法と応え方”
*連載第5回 「発声」「音声表現」「相手に合わせた声の使い分け」――“伝わる話し方”の3つのコツ
「お願い」の仕方一つで、人間関係が変わる
私は、『なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方』という本を書きましたが、その中の一部が、これから社会に出る若者向けのメディア『フレッシャーズ・コース』に転載されています。そこでは、社会人としてふさわしい謝罪の言葉や感謝の言葉について、実例とともにご紹介しています。今回の当連載では、相手に何かをお願いするときの「お願いの言葉」について、考えてみたいと思います。
ビジネスにおいて、「お願い」をする場面は想像以上に多いものです。
資料の提出を依頼する、スケジュールの変更をお願いする、どなたかをご紹介いただく、確認をお願いする、など……仕事とは、ある意味で“お願いの連続”ともいえるでしょう。しかし、この「お願い」の仕方一つで、人間関係が円滑にもなれば、ぎくしゃくしてしまうこともあります。
では、忙しい相手の気持ちを動かし、それほど親しくない方に対しても失礼なく伝わる「お願いの言葉」とは、どのようなものなのでしょうか。
「依頼」が「命令」になっていないか?
まず確認したいのは、自分の依頼が無意識のうちに“命令”のように聞こえていないかという点です。たとえば、「これ、今日中にお願いします」「早めに返信ください」という表現は、一見すると丁寧語ですが、どこか一方的な印象を与えかねません。
しかし、「お忙しいところ恐れ入りますが、本日中にご確認いただけますと大変助かります」と表現した場合、受け取る印象は大きく異なります。
違いは、「相手の状況への配慮」と「自分の感謝の気持ち」を添えているかどうかです。
依頼とは、自分の都合を相手に引き受けていただく行為です。だからこそ、相手の時間や労力に思いを向けるひと言が、信頼関係を左右します。







