人と人の信頼関係をつくる“フィードバック”――その6つのポイント

元NHKキャスターとして「おはよう日本」「首都圏ネットワーク」などに出演し、現在はフリーアナウンサーとして多方面で活躍する牛窪万里子さん(株式会社メリディアンプロモーション代表取締役)。牛窪さんは、『なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方』をはじめ、多くのビジネス書も執筆するなど、言葉と表現によるコミュニケーションのプロフェッショナルだ。そんな牛窪さんによる連載「いま必要な“組織を活性化する”コミュニケーション」の第2回をお届けする。(ダイヤモンド社 人材開発編集部)

適切なフィードバックが信頼関係を築いていく

 今回は、組織における信頼関係に基づく、フィードバックの在り方について触れたいと思います。フィードバックは一方的な指摘になってしまう傾向がありますが、大切なのは、相手のやる気を起こさせる適切なアドバイスをすることです。相手との信頼関係を築く上でも、フィードバックは大きな影響を与えますので、伝える言葉にも配慮したいものです。

 近年、企業におけるガバナンスの在り方が問われる中、フジテレビの問題は、組織が社員をどのように守り、何を大切に運営するのかを改めて考える契機となりました。日本企業には依然として、「忖度」や「隠ぺい」といった古い体質が残っており、これらが若手社員の離職をもたらす要因の一つになっているのではないでしょうか?

 今後の企業経営においては、世代交代を円滑に進め、次世代の育成に力を入れることが求められます。そのためには、若手社員のエンゲージメント向上と、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境の整備が重要です。

 社員の成長を促す手段の一つとして、「適切なフィードバック」があります。

 フィードバックと聞くと、部下は「上司からのダメ出し」のイメージが強く、モチベーションが低下していくことがあります。そこで、フィードバックを行う際に意識するポイントについてご紹介します。