J2勢とJ3勢​の40チームはカテゴリーに関係なく、東西で10チームずつ4つのグループに分けられた。滋賀が所属しているのはWEST-Bグループで、降雪地域という点が考慮されて、ホーム開幕戦、つまり滋賀県内で行われる初のJリーグ公式戦は8日の第5節に設定されていた。河原オーナーが感謝しながら言う。

「最後はホームの大声援の後押しもあって勝てました。こういう雰囲気を作ってくださったファン・サポーターのみなさんのおかげですよね。僕が特別に頼んだわけでもないのに(家内の)横断幕を作ってくれて、いつも掲げてくれている。今日もそうでしたし、家族としては本当にありがたいと思っています」

2022年シーズンは最下位に低迷
闘病中に「筆頭株主」を打診される

 河原オーナーの本業は、滋賀県草津市と大阪府高槻市で開院されている「麗ビューティー皮フ科クリニック」の代表。そして、同クリニックの創設者で、院長も務めていた夫人の居原田麗さんは子宮頸がんと懸命に闘いながら、2024年1月に帰らぬ人となった。まだ42歳という若さだった。

 畑違いに映るサッカークラブのオーナーに就いたのは、麗さんに背中を押されたからだった。

 滋賀は2008シーズンから、Jリーグのひとつ下のカテゴリーとなる日本フットボールリーグ(JFL)を戦ってきた。しかし、目標のJリーグ参入を果たすどころか、2022シーズンには最下位に低迷。レギュレーションの関係で地域リーグへの降格こそ免れたものの、チーム関係者が抱く危機感はピークに達した。

 そして同シーズンのオフに、クラブは経営体制の刷新に踏み切った。そのなかで長くチームスポンサーの一社に名を連ねてきた「麗ビューティー皮フ科クリニック」が、筆頭株主に就いてほしいという打診を受けた。想定外の展開に、当初は逡巡した河原さんは、最終的に受諾した理由を次のように語っている。