福岡は電撃解任、町田は“残留”…Jリーグ「不適切指導」にサッカー界がザワつく理由町田ゼルビアの黒田剛監督 Photo:JIJI

2026年を迎えたサッカー界が「コンプライアンス」を巡って大きく揺れている。コンプライアンスに抵触する行為が確認されたとして、アビスパ福岡が契約を延長したばかりの金明輝監督を電撃的に解任すれば、FC町田ゼルビアはクラブ内で暴言や不適切な指導があったとして、Jリーグから昨年末に懲罰を科された黒田剛監督を巡る対応が批判されている。社会規範や倫理の遵守が問われる両クラブ内の問題を、サッカー界を統括する日本サッカー協会の見解を含めてあらためて追った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

アビスパ福岡が発表した
3つのコンプラ違反行為

 年明け早々からアビスパ福岡が激震に見舞われている。きっかけは新シーズンへ向けてチームが始動した今月5日。契約を延長し、引き続き指揮を執るはずだった金明輝監督が電撃解任された一件となる。

 双方合意のもとで契約が解除されたのは発表前日の4日。福岡は個人情報の配慮という観点から、異例の事態に至った理由を「コンプライアンスに抵触する行為が確認された」とだけ説明していた。

 そして、14日になって金前監督による具体的なコンプライアンス違反行為を3点公表した。

(1)多数のスタッフが同席している状況下で、特定のスタッフまたはスタッフ全員を指して、その業務能力を揶揄する発言やスタッフを精神的に追い込む発言をした。

(2)多数のスタッフや選手が周囲にいる状況下で、特定のスタッフに対し、周囲が危機感や不安を持つような不適切な方法ないし態様による叱責を行った。

(3)スタッフの本来的な業務に含まれない業務を遂行するように求め、その業務遂行が不十分と感じた際に、周囲から見える状態で強い叱責を行った。

 福岡は(1)は複数回、(2)と(3)は昨年11月に行われたと発表。さらに(1)に「発言内容が不必要かつ不適切」と、(2)に「グラウンド上の選手らが発言内容を聞いて不満を持ち、緊急で話し合いを始めるほどの剣幕だった」と、(3)には「過大な要求で、衆人環視の中で行う必要はなかった」とする見解を示した。