「長友佑都は日本代表に必要か?」批判されても森保監督が招集をやめない2つの理由ワールドカップ(W杯)アジア最終予選・日本-サウジアラビア。試合後、歓声に応える長友佑都とサッカー日本代表の公式マスコット「カラッペ」 Photo:JIJI

2026年6月からアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国で共同開催されるサッカーのワールドカップ出場を決めている日本代表で、前人未到の5大会連続出場を目指すDF長友佑都(FC東京)がさまざまな意味で注目を集めている。2024年3月に代表への復帰を果たしながら、ここまで試合出場はなし。それどころかベンチにも入れず、スタンドでの応援を余儀なくされてきた大ベテランは、森保一監督から戦力としてカウントされているのか。9月には39歳になる長友を巡る是非を追った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

チームの最年長として招集
いつもスタンドから試合を見守る

 日本代表でプレーする長友佑都の姿を見なくなって久しい。最後に出場した試合は2022年12月5日。PK戦の末にクロアチア代表に敗れ、4度目の挑戦でまたもやベスト8進出を阻まれたワールドカップ・カタール大会のラウンド16だから、日本代表で生じた空白期間は2年半近くに及んでいる。

 もっとも、長友は森保ジャパンに招集され続けている。電撃復帰を果たした昨年3月の北朝鮮代表とのワールドカップ・アジア2次予選を皮切りに、直近となる今年3月まで、計6回の活動のすべてで、チームの最年長選手として名を連ねてきた。その間の昨年9月には38歳になっている。

 ワールドカップ予選を含めた公式戦で、ベンチ入りできるのはゴールキーパー3人とフィールドプレーヤー20人の計23人。森保一監督が一度の活動で26人前後の選手を招集し、試合ごとに23人を登録してきたなかで長友は常にメンバー外となり、後輩たちが戦う姿をスタンドから応援してきた。

 日本代表が8大会連続8度目のワールドカップ出場権を獲得した3月のバーレーン代表戦でも、長友は埼玉スタジアムのスタンドで、来年6月に開幕する北中米大会出場が決まった瞬間を見届けた。