八:そう、横型エンジン。完全にシリンダーが横に寝ているタイプです。スーパーカブやモンキー等の125ccまでの小排気量車に搭載される、空冷4ストローク単気筒。シリンダーヘッド、シリンダー、ピストンを前方向に倒して水平にレイアウトしています。

F:大抵のエンジンは立っている。

八:それが普通です。V型とかはちょっと斜めになっていたり。

F:カブのエンジンはどうして水平に寝かせているのですか?

八:このレイアウトのメリットは、何よりもエンジンの全高を低くできることにあります。エンジンの背が低いと、シート高を低くできる。スーパーカブのように跨ぎやすい車体にできるんです。そしてもう一つは、重心を低くできること。エンジンは車体の中でも重たい部品ですから、それを低い位置に置けば、取り回しや安定感に効いてきます。絶対的な性能というよりも、扱いやすさに寄与する部分ですね。

F:すごい、いい事ずくめですね。

八:まあでも、125ccまでが限界ですよ。それ以上になると、寝かせたぶんだけ前へ張り出すので、ホイールベースや前輪とのクリアランス、マフラーや吸気系の取り回しで制約が出てきてしまうんです。

F:すると横型レイアウトの本質は、「低く収まる」「重心を下げやすい」「小型実用車のパッケージ向き」というところでしょうか。

八:その通りです。カブは1958年からあるのですが、もともとは創業者の本田宗一郎さんと藤澤武夫さんが始めたプロジェクトです。最初の陣頭指揮は本田宗一郎さん自らが取ったと聞いています。開発は本田さん。営業は藤澤さんが全部やったと。

F:まさにホンダの原点。それが70年近くも同じ形で続いているのだから本当にすごい。

今回の取材は、埼玉県朝霞市にある本田技研工業二輪事業本部ものづくりセンターで行いました今回の取材は、埼玉県朝霞市にある本田技研工業二輪事業本部ものづくりセンターで行いました Photo by A.T.

 この話は次号に続きます。お楽しみに!

(フェルディナント・ヤマグチ)

街で見かけるスーパーカブが減っている?

 こんにちは、AD高橋です。

 スーパーカブといえば、働く人たちが街中や路地裏を移動するときに乗る小さなバイク。ぱっと思いつくのは、郵便配達、新聞配達、そして出前で使われている姿です。地方では交番の警察官がスーパーカブを利用しているのも見かけます(都市部では、自転車のほうが便利な場面が多そうですが)。

 ただ、以前に比べるとスーパーカブに乗っている人を見かける機会が減ったように感じています。新聞を購読している家庭が減ったことで新聞配達の人を見かける機会が減り、郵便配達はホンダのEVスクーター「BENLY e:」に切り替わっています。

 そして出前に関しては、フードデリバリーサービス各社が激しいシェア争いを展開。逆にお店自身で出前をしているところは激減してしまいました。うちの近所でも、店の前にスーパーカブが止まっているのは老夫婦が営んでいるおそば屋さん1軒しかありません。

AD高橋の自宅近所に置かれているスーパーカブ110プロAD高橋の自宅近所に置かれているスーパーカブ110プロ