
二輪大手のヤマハ発動機。自動車など四輪の世界では、電動化が遅れ、投資計画を見直す企業が相次いでいる。では、二輪の電動化はどうか。ヤマハの設楽元文社長は、EV化の動向は「われわれの考えに近づいてきた」との見方を示す。特集『自動車 “最強産業”の死闘』の#17では、設楽社長が、二輪電動化“普及の条件”を激白した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)
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25年度通期見通し下方修正
ブラジル事業への管理強化でてこ入れ
――2025年12月期中間決算は減収減益となりました。加えて、通期見通しを下方修正しました。
売上高は前年並みを維持しています。下方修正には、外的要因として、為替とトランプ関税を織り込みました。確実な成長に向けて研究開発費も適切に入れた上で、通期見通しの営業利益を2300億円から1200億円としました。
修正を何度もすることは、私は好きではないので、一発で出したかった。
――今回、下方修正した数字が、ワーストシナリオに近いということですか。
そうですね。
――二輪事業の販売台数が減少しています。為替と関税影響以外に、事業環境が悪いのでしょうか。
主に、ベトナムとブラジルに課題があります。
ベトナムは、社内で製造上の問題があったため、上期は売り上げが伸び悩みましたが、下期には挽回の軌道に乗る見込みです。
ブラジルは、てこ入れが必要です。在庫管理が甘かった。目配りしないといけないはずなのに、現地拠点の感度が良くなかった。ですので、日本から適切にモニタリングするような施策を始めています。在庫が過剰になった場合には、日本からアラートを出す仕組みを始めています。
――四輪の世界では、電気自動車の普及が想定より遅れています。二輪電動化の現状をどう捉えていますか。
電動化が遅れる四輪。では、二輪大手のヤマハ発動機は二輪の電動化をどう見ているのか。設楽社長は、電動化のシナリオについて「われわれの考えに近づいてきた」と、もくろみ通りとの見方を示す。そして、設楽社長が考える「電動二輪普及の条件」も明かした。