定年後に「やりたいこと」がないなら、子どもの頃に熱中したことやホントにやりたかったことが、あなたの定年後の方向性に役立つかもしれません。
この“ホントに”がミソになるので、リアルにイメージできるよう私の原体験をご紹介します。
40年ぶりに気づいた
自分が本当に好きなこと
私は小学生の頃から山登りが好きで、子ども向けの登山の入門書を買って装備を揃え、ひとりで山に登っていました。中学時代は友人と標高1000メートルを超える山に登るようになり、高校では登山部、大学でも登山同好会に入りました。
ところが、大学時代の「18泊19日の北アルプス全山縦走」や「大雪山のクワウンナイ川の沢登り」といった本格的な登山にはどこかしっくりこないものがありました。
最後の合宿で「もう二度と山に登らない」と宣言し、以来40年間まったく登ることなく、子どもをキャンプに連れていったこともありません。
しかし、還暦を過ぎてようやく気づきました。私がホントに好きなのは「里山歩き」だったのです。
今は東京住まいですが、もともと群馬の材木屋の11代目で、かなりの面積の山林を相続していました。売るに売れない“負動産”と化した山林の管理は重荷でしたが、クレー射撃を始め、実家を荒らすイノシシやシカを駆除するために狩猟免許を取得し、地元の旧知の猟師たちとコンタクトをとるようになりました。そうしているうちに小中学生の頃に野山を駆け回るのがホントに好きだったことを思い出したのです。
その思い出の地に半世紀ぶりに帰還するのは必然だったのでしょう。
私の仕事に特に定年はありませんが、65歳から東京・群馬の2拠点生活をスタートさせる予定です。群馬ですることは、季節によってゴルフ、狩猟(有害鳥獣駆除)、草刈りなどです。イノシシやシカが獲れたら、東京にいる料理が得意な仲間のところに持っていって宴会を開こうと計画中です。
さて、ここでお伝えしたかったのは、私が里山好きなことではありません。ひどく面倒に感じていた実家や山林の管理が、「狩猟」というひとつのファクターを加えることによって化学反応が起こり、「楽しみ」に変わったことです。
「ホントはやりたくなかったこと」が「楽しみ」になるくらいですから、「定年後にやりたいことがない」のも思い違いに過ぎず、視点を変えたり、何かを加えることによってスッと解消される可能性があります。







