「ハーバード大学の研究チームがJAMA(米国医師会雑誌)に論文を発表し、それについて、アマンダ・ヘイト氏がNature誌に論評しているのです(※1)。ヘイト氏は『本日JAMAに掲載された研究によると、この刺激物質(カフェイン)には脳への長期的な効果、つまり長期間にわたり明晰な思考力を維持する効果があることが示唆されています』『コーヒーや紅茶からの適度なカフェイン摂取は、認知症リスク低下と認知機能低下の両方と関連していることがわかりました』と述べています」
実際のJAMAに掲載された論文(※2)でも、カフェイン入りのコーヒーや紅茶の摂取量が多いほど、認知症のリスクが低下し、認知機能がやや向上することが報告されている。
1日1杯でも
アルツハイマー型認知症に効果
コーヒーは1日1杯でもアルツハイマー型認知症に効果があるという論文もある(※3)。
「コーヒー摂取がアルツハイマー型認知症発症リスクに及ぼす影響について調査した総説で、11編の論文が含まれています。それによると1日1~2杯、および2~4杯までのコーヒーを定期的に摂取する人は、アルツハイマー型認知症を発症するリスクが低い。ただし、それ以上になると、発症リスクが上昇するようです。いずれにしてもコーヒーが認知症の予防に効くのは確かだといえるでしょう」
その理由はコーヒーに含まれるカフェインだけでなく、トリゴネリンにもあるようだ。マウスの研究になるが、トリゴネリンが記憶力の低下を改善させると報告する論文がある(※4)。
コーヒーに含まれるカフェイン、クロロゲン酸、そしてもうひとつの健康成分「トリゴネリン」が近年注目されている。トリゴネリンの効果は、記憶力低下を改善する可能性だけでない。
コーヒー豆に含まれるトリゴネリンは
老化を予防し、認知機能と体力を維持
「コーヒー豆に含まれるトリゴネリンは、エネルギーを作る補酵素のNAD⁺(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)を増加させ、筋肉量と筋肉の力を回復させることが2024年、学術誌『Nature Metabolism』に報告されたのです(※5)。これはすごいことです」と岡氏が強調する。
「トリゴネリンはNAD⁺を増やして、各細胞の中に存在する小器官のミトコンドリアを活性化し、筋肉と神経にエネルギーを補給する。さらに老化した細胞とミトコンドリアの再生を促進して老化を予防し、認知機能と体力を維持するのです」
「なぜなら体の中で一番エネルギーを必要としているのは、脳の神経細胞と骨格筋。NAD⁺はここに最も多くあります。このNAD⁺が減ってしまうと認知機能の低下や虚弱体質(サルコペニア)になってしまうのです」
人の血清中のトリゴネリン濃度は、サルコペニアの進行に伴って低下することがわかっている。
「トリゴネリンを摂取すればNAD⁺が増える。そのトリゴネリンはコーヒー生豆100グラムに600ミリグラムも含まれます。コーヒー1杯はおよそ10グラムですから、1杯に60ミリグラムのトリゴネリン。これで十分な薬理作用が期待できます」
(※1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41667812/
(※2)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41661604/
(※3)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37970326/
(※4)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37721682/
(※5)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38504132/







