著名な投資家が公開しているポートフォリオは、あくまで資産全体の一部に過ぎません。見えているのは「金融資産の配分」だけです。その裏側には、安定した収入や稼ぐ力、投資スキル、現金などの守りの資産といった、表には見えない土台があります。こうした基盤があるからこそ、リスクの高い資産に投資しても、相場の下落に耐えることができるのです。

 それにも関わらず、その前提を無視して、投資戦略だけを真似してしまうと、狼狽して結局損失を出すことにもつながりかねません。だからこそ、他人の投資戦略をそのまま真似するのではなく、自分の状況に合わせることが不可欠なのです。

 具体的には、以下の3つのステップで戦略を組み立ててみてください。

投資の最適解を導き出す
「意思決定フレームワーク」とは?

(1)ゴール設定と時間軸

 まずは、「いつ、何のために使うお金なのか」というゴールを明確にします。30年後の老後資金なのか、10年後の教育資金なのか、あるいは日々の生活を少し豊かにするための投資なのか。目的と時間軸を確認することで、選ぶべき金融商品も、取れるリスクも全く異なります。

(2)家計における許容度

 次に、毎月の安定した収入(稼ぐ力)と支出、いざという時の予備資金(守りの資産)などを棚卸しします。これにより、「手元にこれだけあれば、明日相場が暴落しても今の生活が揺らがない」という安心感を持ちながら、家計として無理なく投資に回せる金額が見えてきます。

(3) 攻守タイプ別

 最後に、自身の「思考や行動の癖」を客観視します。例えば、防衛戦略が得意な「守りのタイプ」なのか、値動きが大きくても気にしない「攻めのタイプ」なのかを知ることが大事です。

 例えば、守りのタイプは、バランス型ファンドなど複数の資産に分散投資する商品などが良いでしょうし、攻めのタイプは株式100%の投資信託や個別株などを一部組み入れても良いでしょう。

 どんなに著名な投資家の成功手法であっても、自分の性格に合わない戦略は採用せず、タイプが似ている人を参考にしてください。