スーツ姿でウエイトトレーニングする若い男性写真はイメージです Photo:PIXTA

生活習慣病の予防やアンチエイジングにも効果のある「運動」。しかし、健康にいいとわかっていても、多忙な毎日の中でその時間を確保するのは難しい。有意な効果を得るためには、どのくらいの運動量が必要なのか?運動生理学者である筆者がデータを交えながら解説する。※本稿は、青井 渉『筋肉はすごい 健康長寿を支えるマイオカイン』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。

厚生労働省が推奨する
週に必要なトレーニング量

 運動は生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果的ですが、そのような有益な効果を得るには、どのくらい運動をすれば良いのでしょうか。

 2024年1月に、厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を策定し、運動の効果を得るための基準を示しました(表4-2)。それまで利用されてきた「健康づくりのための身体活動基準2013」を10年ぶりに改訂したもので、最新の科学的根拠をもとに作られました。

 運動習慣のある人、身体活動量の多い人は、循環器病、2型糖尿病、がん、ロコモティブシンドローム(編集部注/加齢による筋肉や骨の減弱、関節や脊髄(せきずい)の病気などによって、移動の機能が低下した状態)、うつ病、認知症などの発症リスクを減らすことができると記されています。そして、このような効果を得るために、どのような身体活動を、1日にどれくらいの強度で、どのくらいの時間すれば良いのか、推奨事項として示されています。

図4-2:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023の概要同書より転載 拡大画像表示

 このガイドをもう少し掘り下げてみましょう。