少しの工夫を加えるだけで
週60分の運動目標は達成可能

 厚生労働省が毎年行っている国民健康・栄養調査では、1日あたりの歩数(18~64歳)は、1990年代に男性8000歩、女性7000歩を超えるほどであったのが、次第に少なくなり、2019年の調査では男性7000歩、女性6000歩を下回っています。

 つまり、運動の健康効果が明らかになり、国が推奨してきたにもかかわらず、身体活動量は減少しているのがわかります。

 さらに、2020年から数年間は新型コロナウイルス感染症対策のため、ステイホームを余儀なくされ、リモートワークやオンライン授業を併用しながら過ごしてきました。私たちが大学生を対象に実施した調査では、ステイホーム期間中、身体活動時間は2時間程度減少し、その分がスマホやパソコンを眺める時間に置き換わり、不活動の時間が増加したことがわかりました。

 身体活動を増やすにはどうすれば良いのでしょうか?

 ジョギングのような運動までしなくても、日々の生活活動を少しずつ増やすことでも健康増進効果を得られることがわかっています。そのため、とにかく体を動かすことが重要です。

 例えば、「歩く」よりも強い強度の身体活動を毎日60分することが推奨されていますが、エレベーターを使わずに階段で上り下りする、車ではなく徒歩や自転車で買い物に行く、というような工夫をするだけでも達成しやすくなります。もう1つの目標である週60分の運動はハードルが高いと感じるかもしれません。

 しかし、60分の運動をしたときと、10分の運動を6回したときとで、その効果は同等ということがわかっています。長時間の運動はハードルが高くても、隙間時間で少しずつ積み重ねていくのであれば、達成しやすいのではないでしょうか。

 また、セルフモニタリングといって、毎日の歩数を測定することもお勧めです。日々記録を付けることで、目標を達成しようとする心理が働くのです。歩数だけでなく、体重、摂取エネルギー量など様々な目標の達成に向けて、行動を変えるための方法として知られています。