65歳以上の高齢者では、3メッツ以上の身体活動を週に15メッツ・時以上、つまり1日40分以上、歩数にして6000歩以上とされています。特に会社勤めだった方は、退職後に、生活様式が変わり、身体活動量が極端に減り、心身のフレイルサイクルが進行することも多いです。退職後に身体活動を保つためにも、外出、社会参加、就業を続けることが良いのです。

消費カロリーは同じでも
精神に与える効果は雲泥の差

 また、このガイドでは、身体活動を「運動」と「生活活動」の2つに分類しています。

 ガイドの中で、運動とは、健康・体力の維持・増進を目的として、計画的、定期的に実施されるもの、とされています。一方、生活活動は、例えば通勤、通学、家事、犬の散歩など、日常生活に伴って体を動かす活動をいいます。身体活動とは、これらを包括した、体を動かす活動の全てということになります。

 体におよぼす影響を考えたとき、生活活動と運動は同じとはいえません。仮に同じメッツで同じ時間行えば、生活活動であろうと運動であろうと消費するエネルギー量は同じですが、運動の効果はエネルギー消費だけではありません。

 例えば、計画的にジョギングや筋トレをすることで心肺機能や筋力などの体力が効率的に向上します。また、テニスや野球などレクリエーションとして運動をすることで、精神的な充足感につながります。そのため、ガイドでは、身体活動と別に運動の基準が示されています。

 成人(18~64歳)では、3メッツ以上の運動を週に4メッツ・時以上やることが推奨されています。これは、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上やることに相当します。

 65歳以上の高齢者では、どのような様式の運動でも良いので週3日以上とされています。例えば、有酸素運動、筋力トレーニング、バランス運動(足踏みや踵上げ下げなど)、柔軟運動などを、その日のコンディションや空き時間にうまく組み合わせて行うのが良いでしょう。また、65歳という年齢で厳密に区切られるものではなく、個人差を考慮して臨機応変に考えることが大事です。