ヨーグルトのような発酵食品は乳酸菌やビフィズス菌を含み、腸内環境を整えてくれます。また、穀類や野菜、果物に多く含まれる食物繊維は、善玉腸内細菌の餌となります。
やはり健全な筋肉を保つことが善玉マイオカインを多く作ることにつながるので、朝、昼、晩の3度の食事で、バランスよく栄養素を摂取することが最も大事です。食生活が乱れている状態で、特別な食品成分をサプリメントで摂取したり、特定のヨーグルトや野菜だけを偏って摂取したりしても意味がありません。
タンパク質が不足すると筋肉が萎縮し、また糖質が不足するとエネルギーを産み出せず、筋肉を動かすことができません。タンパク質、糖質、脂質、さらにはビタミン、ミネラルを適切に摂取した上で、フィトケミカルや腸内環境を整える成分を考えるべきでしょう。
食事のタイミングが悪いと
糖は脂肪になり栄養は筋肉に届かない
また、何をどれくらい食べるかだけでなく、いつ食べるのかも大事です。同じ種類のものを同じ量食べたとしても、食べるタイミングによって体に及ぼす影響は違います。
例えば、ご飯を山盛り食べた後は血糖値が上昇します。このときに体を動かせば、血糖は筋肉でエネルギー源として使われて、高血糖を防ぐことができます。
しかし、食後にデスクワークをしたり寝てしまうと、血糖はエネルギーに利用されずに、高血糖を招き、多くは脂肪細胞に取り込まれて体脂肪になります。同じものを食べても、体にとって良い働き(エネルギー源)をするのか、悪い働き(体脂肪源)をするのかは、食べるタイミングによるのです。
『筋肉はすごい 健康長寿を支えるマイオカイン』(青井 渉、中央公論新社)
一方、食後すぐのタイミングに激しい運動をすると、胃腸に負担を与えて食物の消化、栄養素の吸収にも悪影響を及ぼします。また、食べた栄養素が筋肉に届いていない可能性もあります。
私たちは、食事のタイミングがマイオカイン分泌に及ぼす影響を確かめました。運動後のSPARCの血液中濃度は、運動の30分前に食事をしたときよりも、2時間前に食事をしたときの方が高いことを観察したのです。そのため、筋肉の能力を最大限に発揮するには、食事は運動の2時間以上前が良いでしょう。
対照的に、Interleukin-6は空腹時に運動した方が分泌されやすいこともわかっています。血糖値が低く、筋肉内のグリコーゲンが少ないと、Interleukin-6を分泌して、エネルギー源を得ようとするためです。しかし、Interleukin-6は出れば出るほど良いものではありません。高濃度のInterleukin-6は、炎症を起こしたり、貧血のリスクを招くことも懸念されます。
このように、食事と運動はお互い両輪の関係となっているのです。







