若い社員たちの横顔写真はイメージです Photo:PIXTA

今年も入社式の季節がやってきた。生成AIを使いこなす若手が当たり前になる時代、企業は「選ぶ側」ではなく「選ばれる側」へと立場を変えつつある。AI禁止、デジタルに弱い上司、旧来の評価軸――そんな環境は、優秀な人材ほど静かに見切られる。2029年、“新世代”の社員たちが本格的に押し寄せる。それまでに、新しい世代を迎える企業側は、何をどう変えればいいのだろうか。(ノンフィクションライター 酒井真弓)

大学生の92%以上が生成AIを利用している

 今年の新社会人は、学生時代に生成AIの爆発的普及を経験した世代だ。直近の全国大学生協連の調査では、大学生の92.2%が生成AIを利用したことがあると回答している。その用途は、授業や研究、論文・レポート、メール作成など、学生生活の中心的な活動にまで広く浸透していることが分かる。

第61回 学生の消費生活に関する実態調査報告書第61回 学生の消費生活に関する実態調査報告書「CAMPUS LIFE DATA 2025」より 拡大画像表示

 2029年、その流れはさらに加速する。

 2022年、高校で「情報I」が必修化され、AIやプログラミング、データサイエンス、情報セキュリティの基礎を教科として学ぶ時代が始まった。2025年には大学入学共通テストにも登場。スーパーマーケットのシステム設計やデータ分析などが出題され、情報を活用する力が問われた。この世代が大学を卒業して社会に出始めるのが2029年だ。活躍が期待できる新入社員が増えることは間違いないだろう。

学生に「選ばれる企業」と「見切られる企業」が決まる?

 問題は、受け入れる企業側が変わっていないことだ。「AIは社内規定で禁止」ともなれば、そもそも企業選びの選択肢に入らない。仮に入社しても、上司がデジタルに疎ければ正当に評価できない。結果、辞めてほしくない人材ほど、早々に見切りをつけて去っていくだろう。

 そうならないために、新しい世代を迎える企業側は、何をどう変えればいいのか。中高生のプログラミング教育から企業のDX人材育成まで手がける、ライフイズテックの最高AI教育責任者(CEAIO)讃井康智さんに取材した。