がんばっているのにうまくいかない。同じ失敗を繰り返して落ち込む。そのうちに「自分はダメ人間なんだ」と自信がなくなっていく――書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)は、神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍する著者が、「自分の感情や欲望に振り回されずに生きる方法」を、脳科学・心理学・哲学の視点からわかりやすく解説した一冊です。本記事では本書の発売を記念して、その内容を一部抜粋・再編集して紹介します。
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「また失敗! 自分はなんてダメ人間なんだ」
計画通りにいかなかったとか、ルーティンが崩れてしまったときの第一声は、決まって「ああ、またか」といったところでしょう。
しかし、その失敗以上に心を傷つけるのは、あとから押し寄せる「やっぱり私はダメだ」という「自己非難」です。
こうした自己非難から抜け出すには、まずその仕組みを理解する必要があります。
驚くべきことに、自己非難は心理的な習慣であり、「自分を律しようとする行動」でもあるのです。
自分を責めるほど、自尊感情が低下していく
しかし心理学的に見ると、自己非難は失敗を避けるどころか、むしろ固定化してしまう働きがある行為です。
自分を責めることで責任を果たしているように見えても、実際には行動改善にもつながりません。
さらに、自己非難を繰り返すほど自尊感情はみるみる低下し、もう一度がんばろうという気持ちにも、ブレーキがかかってしまいます。
「自分はこの程度の人間だ」と思い込んでしまう
もっと問題なのは、自己非難が、現実を変えることへの恐れを覆い隠し、「変わらなくてもいい」「責任を取らなくてもいい」という言い訳として機能することです。
そしてこうした認知の歪みが、失敗を教訓にすることなく「自分はこの程度の人間だ」という自己概念を固定させ、学びと成長を妨げるのです。
失敗の繰り返しより怖いのは、こうした「失敗を自分と同一視してしまうこと」のほうです。
自己非難をしなくなる方法:「私はダメな人間だ」→「この方法は合わなかった」
自己非難から卒業するための第一歩は、失敗を「行動の問題」として捉える練習です。
「私はダメな人間だ」ではなく「この方法は合わなかった」と言い換えてみる。
本当に自分を理解し管理するためには、アイデンティティーではなく「戦略」を変えることが大切なのです。
(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』から一部抜粋・再編集した記事です)









