S&P500指数は
20年で約4倍に成長した

「いつの間にか富裕層」が現れ始めた背景には、株式市場の長期的な上昇があります。

 TOPIXを見ると、2010年代以降、アベノミクスや世界的な金融緩和の影響もあり、長期的には上昇基調を維持しています。米国株式市場も同様で、S&P500指数は過去20年で約4倍に成長しました。

 仮に、2002年から2024年までの23年間、毎月5.5万円を日本株のインデックスファンドで積み立てた場合、年率5.4%程度のリターンが想定され、元本1518万円が3300万円程度に増加します。もし、同じ期間を米国株で運用した場合、年率8.6%程度のリターンが想定され、5400万円程度になると試算できます。

図表:拠出金運用シミュレーション同書より転載
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 特に日本の場合は、確定拠出年金など企業を通じた資産運用の比率が高いため、退職直前まで、自身が富裕層であることに気づかない人も少なくないと見込まれます。株式市場が今後も継続的に上昇する場合、団塊ジュニア世代を中心に退職時に富裕層となる人がさらに多く発生すると考えられます。

 NRIでは、純金融資産1億円以上の方を「富裕層」と定義しています。しかし、本分析における「いつの間にか富裕層」は、その基準に限定せずに、将来富裕層になり得る予備軍の方々も対象に含んでいますので、その点に留意いただければと思います。

資産が1億円を超えても
堅実な姿勢は変わらない

「いつの間にか富裕層」の日々の生活様式は、一般的な給与所得者と大きく変わらないのが特徴です。彼らは日常生活において、過度な贅沢や派手な消費をするわけではなく、富裕層としては堅実な生活を送っています。