「餃子の中に文房具」というクレーム
だが様子がおかしい

 少し前にあったのは、「餃子の中に文房具が入っていて、それを飲んでしまった」というクレームでした。

 ご丁寧にね、病院で撮ったレントゲン写真まで送ってきた。「体の中にホチキスの芯が入っているのが写っているだろう」って。店長はびっくりして、相手の自宅に行ったら、「死ぬかもしれない」「新聞を買ってこい」だの、いろいろと要求してきて、なにやら様子がおかしい。

 そもそも当社の工場や店では、調理場に文房具は持ち込みませんから、入るわけがないんです。もちろん、警察に相談しました。そしたらすぐに「ああ、これは常習犯ですね」と。そういう手口で色々な店を回っている人だったんです。これも警察がちゃんと対応してくれました。

一番やってはいけないのが
少額だからと払ってしまうこと

 何が言いたいかというとね、こういうときに一番やってはいけないのが、「少額だから払ってしまう」ことなんです。それが一番ダメなんです。小さいお店は、弁護士を雇うお金もないし、面倒だから、つい2000円ぐらい払って「これで勘弁してください」とやっちゃう。

 でもね、それこそがクレーマーの思うツボなんです。一度払ったら最後、また半年後に、今度は仲間を連れてやって来ますよ。

 ですから、当社のルールははっきりしています。こちらに本当に落ち度があれば、もちろん誠心誠意謝罪して、きちんと対応します。

毅然とした態度でルールを決めて
従業員を矢面に立たせないこと

 しかし、それが理不尽な要求や、金銭目当ての恐喝だと判断したら、1円たりとも払ってはいけません。

「それ以上おっしゃるなら、裁判にかけてください。裁判で負けたら、もちろんお支払いします」と。あるいは、「警察に相談します」と言うと、大抵のクレーマーはそこで止まります。

 従業員を守るというのはね、ただ優しくすることじゃないんです。会社として「毅然とした態度」でルールを決めて、従業員を矢面に立たせないこと。それが、結果として従業員の安心と信頼を生むんだと、私はそう思っていますよ。