家族葬は事前にしっかりと協議を
円満な形を目指すコツとは
息子を思い、自身のエンディングに向けて奔走する多田さん。子の負担を減らすために親が終活を急ぐケースは決して少なくありません。そこで、静岡県富士市に本社を構える葬儀社「金華堂」の代表取締役・金刺哲弥氏に、親の終活と家族葬について詳しく聞きました。
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――葬儀に関する生前からのご相談にはどのような傾向がありますか。
金刺:弊社に寄せられる葬儀のご相談は、葬儀社ということもあってお医者様からそろそろ心構えをしておいてくださいと伝えられたタイミングでご家族が相談に来られるケースが7割、ご自身の相談に来られる方が2割、お亡くなりになった後の相談が1割です。
将来発生するご自身の葬儀に関するご相談も増加傾向にあります。特に子の負担を減らしたいと考える「母親」からのご相談が多く、実家を離れたお子様に迷惑を掛けたくない、葬儀には費用はいくら用意しておくべきなのかといったご相談が多いですね。
――家族葬について親世代と子世代で意識の違いは感じますか。
金刺:葬儀に対する意識調査や現場の実態を見ると、親世代と子世代の間では明確に違います。
すでに葬儀の施主を経験している親世代の多くは、精神的・経済的負担を考慮し、簡素な形式を希望する傾向が強まっています。対して、当事者意識が定着していない子世代では、具体的な準備や判断基準を持ち合わせていない傾向があります。
重要なのは、死別後の混乱を避けるための事前の情報共有です。例えば、親がエンディングノートの存在を周知させるだけでも、子が意思決定を行う際の指針となり、心理的負担を軽減できます。
葬儀の形式に絶対的な正解はありません。双方が過度な義務感や負担を抱え込まず、事前に話し合っておくことが大切です。
――家族葬において費用や親族間のトラブルを防ぐコツはありますか。
金刺:複数の葬儀社へ足を運びその葬儀会社の雰囲気、対応を見ておくことがおすすめです。また、葬儀社に概算ではなくオリジナルの見積もりを作成してもらうとよいでしょう。
その上で家族葬を行う際、事前に親族間で本当に小さく葬儀を上げることで問題がないか、しっかりと事前に話をしておくことが大切です。故人様に一目会いたい、ご遺族にお悔やみの言葉を伝えたいと思っている方が予想以上にいらっしゃるケースもあります。
以前お香典をもらっているから出さなければと思っている方、本当に会いたいと思っている方などが入り交じっているため、柔軟に対応できるようにあらかじめ十分な対応策をご親族・葬儀社を交えて確認することもおすすめです。







