写真はイメージです Photo:PIXTA
2期10年の任期制限を撤廃し、中国共産党のトップに君臨し続ける習近平。その権力基盤を支えているのは、地方で広める反日プロパガンダだという。習近平が農村部から熱烈な支持を集める理由を、対中外交を担ってきた実務家の2人が解き明かす。※本稿は、笹川平和財団常務理事の兼原信克、立命館大学教授の垂 秀夫『中国共産党が語れない日中近現代史』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
正規の教育を受けてこなかった習近平
文化大革命世代の「遺物」?
兼原信克(以下、兼原):習近平はおそらく、毛沢東のようにリーダーとして死ぬまでトップに君臨するつもりでしょう。習近平の中国がどれくらい続くのかは、彼の命がどれくらい続くのかにかかっている。垂さんから見た習近平論を聞かせてください。
垂秀夫(以下、垂):残念ながら、習近平は文化大革命世代の「遺物」とも言える存在ではないでしょうか。父親が革命の功臣であったこともあり、文革期に「知識青年」として陝西省の農村に下放され、厳しい生活を経験しました。
後に清華大学で学んでいますが、それは「工農兵学員」として無試験の推薦で入学したもので、通常の学問的教育というよりは幹部養成の意味合いが強かったとされます。中学以降、正規の学校教育を十分に受けられなかったものと思われます。
この点は胡錦濤や李克強のように正規の教育を受けてきた共青団系のエリートとは大きく異なります。むしろ、毛沢東時代の政治スタイルに先祖返りしています。こうした経歴を持つ指導者がトップにいる限り、中国の未来が明るくなることは難しいでしょう。







