西武渋谷が閉店へ…跡地の再開発が失敗しかねない「2大リスク」の正体そごう・西武による報道向け資料(2026年3月25日発表)
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スクランブル交差点と駅が近いけど
実は立地条件が悪い!?

 西武渋谷店はスクランブル交差点すぐで駅からも近いが、地形を考慮すると実は“悪条件”といっても過言ではない。地下に宇多川が流れている関係で、A館とB館は地下で接続できない。さらに、井の頭通りに面している関係で、ひとつひとつの建物は狭くなってしまう。

 西武渋谷店(無印良品・ロフト除く)の売り場面積は3万1888平方メートルで、伊勢丹新宿店(本館・メンズ館合計の6万4296平方メートル)の半分となっている。縮小後の西武池袋本店(約4万8000平方メートル)よりも狭い。

 そのせいか百貨店の主力であるデパ地下(食品フロア)を、西武渋谷店はA館の地下1階という狭い区画しか設けていない。西武池袋本店が日本最大級のデパ地下(約180店舗)をウリにリニューアルしたのに対して、そごう・西武もそのノウハウを生かせないのは残念としか言いようがないだろう。

西武渋谷が閉店へ…跡地の再開発が失敗しかねない「2大リスク」の正体西武渋谷店(公園通り側) Photo by Hiroki Maebayashi
西武渋谷が閉店へ…跡地の再開発が失敗しかねない「2大リスク」の正体西武渋谷店は井の頭通りにも面している Photo by H.M.

 地権者との折衝の難しさや地形構造の複雑さが課題となると、たとえ駅前一等地であっても再開発が進まず、閉店した百貨店の建物が何年も残るケースは全国各地で見られる。

 静岡県浜松市の松菱(2001年経営破綻)や千葉県柏市のそごう柏店(2016年閉店)、宮城県仙台市のさくら野百貨店仙台店(2017年閉店)などが代表例だ。

 都心で、訪日観光客(インバウンド)も押し寄せる街なので、西武渋谷店がそうなる可能性は低いが、最悪の場合はそうなりかねないのが心配だ。