職場の「感じのいい人」が会議室を出るときにやっていることとは?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さん。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか?
この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきた「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「見られているときだけやる」の限界
職場における「感じのよさ」は、必ずしも大きな行動から生まれるわけではありません。
むしろ、小さな行動の積み重ねによって形づくられます。
『気づかいの壁』という本では、次のように指摘されています。
それは、「人が見ていなくてもやる」ということです。
世の中、「人が見ていないと意味がない」「見られているときだけアピールすればいい」という考えが蔓延しています。
たしかに、戦略的には正しいのかもしれません。
しかし、いざというときに壁を越えるためには、それでは不十分です。
日頃から誰かが見ていなくても、「自分がされて嬉しかったことをやる」ということをクセづけるようにし、コスパ重視の考え方から抜け出さないといけません。
――『気づかいの壁』より
つまり、「評価されるための行動」ではなく、「自分の基準でやる行動」が重要だということです。
会議室を出るときに差がつく
その差が最も表れやすいのが、誰も見ていない場面です。
たとえば、会議室を出るときの行動について、次のように書かれています。
・会議室を出るとき、テーブルに飲み物の水滴が残っていないか確認している
このようなことは、あなたの意思だけでできることです。
それなのに、「誰かが見てくれていないと意味がない」「やった人が損だ」といって、目先の損得でしか行動できない人がいます。
その発想を捨てることから、気づかいははじまります。
――『気づかいの壁』より
この行動自体は些細なものです。
しかし、こうした小さな積み重ねが、周囲からの印象を大きく変えていきます。
「まあいいか」が習慣を崩す
問題は、多くの人が「まあいいか」で行動を終えてしまう点にあります。
『気づかいの壁』では、その危うさについて次のように述べています。
信仰心の強い国では、「神さまが見ている」という感覚が強いため、モラルが働くといいます。
一方で、日本ではキリスト教圏のような信仰心が薄いため、自分でルールを決めて、それを徹底しているかどうかが個人で試されます。
自分で自分にルールを課して、一度決めたらやり抜く。誰も見ていなくてもやる。
そういう行動を続けていき、自分でも当たり前になった頃に、誰かが見てくれているものです。その順番を間違えないようにしましょう。
――『気づかいの壁』より
つまり、気づかいは「その場の気分」ではなく、「再現性のある習慣」として設計する必要があるということです。
評価はあとからついてくる
多くの人は、「見られているからやる」と考えます。
しかし実際は、「やり続けているから見られるようになる」のです。
順番を取り違えると、気づかいは長続きしません。
逆に、「誰も見ていなくてもやる」という基準で行動していれば、それはやがて信頼として蓄積されていきます。
気づかいとは、他人のためであると同時に、自分の基準を守る行為でもあります。
まずは、会議室を出るときにテーブルを一度見る。その程度の行動からで十分です。
ちょっとした気づかいのコツを身につけましょう。
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。著書に5万部を突破した『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)がある。





