「人の目」を利用すると
先延ばしが劇的に減らせる

「人の目」や「約束」といった「社会的ナッジ」も、先延ばしを減らすうえで効果的です。

 自宅よりも、カフェや図書館など、人目のある場所で作業をしたほうがはかどるという人は多いでしょう。

 私たちは「誰かに見られている」「人に期待されている」と感じると、自然と行動を正します。その習性を利用するのです。

 つい休憩時間を長くとってしまう、休んでしまうという人は、たとえば隣の席に「10分後に電話します」と約束してから休憩に入りましょう。

 相手は、あなたが休憩を何分とろうと気にしていないかもしれません。しかし、「誰かと約束した」ことで、脳が「休憩を10分で終わらせなければ」と思うようになります。

 なかなかやるべきことにとりかかれないという人は、チームのメンバーや家族、友人などに、SlackやLINEで「今日はここまでやります」と一言送るだけでも、「見られている」意識が働き、集中力が続きます。「サボるのを見られたくない」という心理から、自然と行動を維持しやすくなるのです。

 あるいは、誰かと「同じ時間に作業をしようと約束する」「zoomなどでつながりつつ、一緒に作業する」というのも効果的です。「やらなければならない作業」を抱えている相手なら、仕事仲間ではない、ただの友人でなくてもかまいませんし、作業の内容はそれぞれ違ってもかまいません。

 とにかく、「今、誰かと一緒に作業をしている」という空気や気持ちが、やる気を後押しするのです。

 ここまで、ナッジを使った方法をいろいろお伝えしてきましたが、まずはスマホを別室に置くことから始めてみましょう。それだけでスマホを見る回数が減り、すぐやるべきことにとりかかることができ、集中力も持続するはずです。

【今回の学び】
人は「面倒を避ける生き物」。誘惑のコストを上げ、やるべき行動のコストを下げよう
【参考文献】
Thaler,R.H.,&Sunstein,C.R.(2008). Nudge:Improving decisions about health, wealth, and happiness. Yale University Press.