2019年の「国連気候行動サミット」に出席した小泉進次郎環境大臣(当時)が、日本の地球温暖化抑止の責任者にもかかわらず「毎日でもステーキを食べたい」と述べ、世界中の失笑を買いました。しかし、このような態度は日本人全体の意識を反映しているのです。日本人の多くは環境問題を知識としては理解しながら、行動に移す人はほとんどいないからです。

 しかも、日本人が食べる畜産物のかなりの割合が輸入品です。国産品も、原料となる飼料はやはり輸入頼みですから、日本人の肉食への欲望が海外で環境を破壊し、温室効果ガスを排出させているとも言えます。実に無責任な話で、国内で自給できる水産物を多く消費するかつての日本型食生活に戻すこと、それが島国日本に暮らす私たちにとってあるべき姿なのだと筆者は思います。

スルメイカやサンマが
獲れなくなった理由

 近年、スルメイカやサンマの大不漁が続きました。大きな理由の1つとして潮流の変化や海水温の上昇があると言われています。

 かつてスルメイカは日本の漁業で最も漁獲の多い水産物の1つで、約30年前の1996年には40万トンを超える水揚げがありました(図4)。安くて美味しいスルメイカは、刺身や煮物、焼物など惣菜だけではなく、塩辛や珍味としても大量に消費されてきた、私たちには馴染み深い水産物でした。

 しかし2016年以降は漁獲量が大きく減少、2023年には2.1万トンまで落ち込んでいます。10年前は日本中どこのスーパーでも解凍スルメイカを見かけたものですが、今ではまずありません。塩辛は値段が上がって内容量が減り、筆者も最近では食べる機会がめっきり少なくなりました。

図4同書より転載 拡大画像表示