この負担を会社側に一方的に押し付けるのが妥当なのか筆者は疑問を持っています。
ある法律事務所のウェブサイトに、裁判所の解雇に対する考え方の厳しさをうまく表した川柳が掲載されています。
「鳴くように 教育しなさい ホトトギス」
「鳴く場所に 移せばいいでしょ ホトトギス」
「鳴かぬのは 会社が悪い ホトトギス」というものです(*1)。
解雇に関する裁判所の基本的な考え方は、成果を上げられないなら会社が教育したり配置転換したりしなければならないというものです。それでも成果を上げられないのであれば、雇った会社が悪く、会社が何とかしなさいというのが裁判所の立場です。
大企業であればそれでも会社を維持できるかもしれませんが、中小企業に「鳴かない社員でも会社で何とかしろ」と言われても困るのが実情です。特に配置転換については、中小企業ではそもそも配置転換する場所がなかったり、配置転換先が問題社員の扱いに困ったりして難しい場合も多いです。
解雇を厳しく制限する理由が「労働者の経済的耐久力が弱いから」だとすれば、中小企業も経済的耐久力が強くないところが多いのが現実です。本来、中小企業の利益額や規模も解雇の有効性を判断する際に考慮されるべきだと思いますが、問題社員の解雇に関しては、中小企業の経済的耐久力についてほとんど考慮されておらず、この点でも実務に疑問を持っています(*2)。
社員は会社の知らないところで
弁護士のアドバイスを得ている
現在、多くの法律事務所が、労働者から無料で法律相談を引き受け、トラブルを抱えた方と早いうちに接点を持つという囲い込み戦略を行っています。無料法律相談は、相談者側は無料で弁護士からのアドバイスが得られ、弁護士側も相談者と接点を持ち、将来的にその事案を受任するきっかけを得ることができるため、Win-Winの側面があります。問題社員側はこれらのサービスを利用して、インターネットで得た知識をさらに強化していることもよく見られます。
(*1)…弁護士法人横浜パートナー法律事務所(https://ypartner.com/)
(*2)…整理解雇の際には会社の経営状況も問題にされますが、この整理解雇は問題社員の解雇とは違うものです。







