60代後半になってもキャリアやスキルを活かした職務を続けていきたいが、継続雇用の上限年齢が65歳だという場合は、どうすればよいのでしょうか?
キャリアやスキルを活かせる
フリーランスという選択肢
その答えは、フリーランスになることです。60代後半でも継続勤務できる人はいいですが、そうでない場合は、雇われる働き方で自分のキャリアやスキルを活かし続けることは難しいかもしれません。フリーランスとは、「会社員」や「パート・アルバイト」のように雇用契約を結んで給与をもらうのではなく、案件ごとにクライアントと対等な立場で業務委託契約を結んで報酬を得る働き方です。
高年齢者雇用安定法の2020年改正では、70歳までの就業機会確保が企業の努力義務になり、具体的な措置として、70歳までの定年引き上げなどと並んで「70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入」が挙げられています。これは、社会貢献事業に継続的に従事する制度と同じく、創業支援等措置(雇用によらない措置)のひとつという位置づけです。
しかし、厚生労働省令和6年「高年齢者雇用状況等報告」によると、創業支援等措置を導入した企業は、わずか0.1%に過ぎません。努力義務化されてから日が浅いとはいえ、ほとんどゼロといってよいくらいの導入率です。企業からすると、この制度の趣旨そのものである「70歳まで継続的に」という点がネックになります。案件ベースの契約ではないので、雇用するのと同じとまでは言わないものの、業務委託契約ならではのメリットがほとんど感じられないのでしょう。
『定年前後のキャリア戦略 データで読み解く60代社員のリアル』(藤井 薫、中央公論新社
裏を返すと、相応の専門性がある人と選択的に契約するという前提ですが、60代後半でも、「70歳まで継続的に」ではなく案件ベースの業務委託契約であれば、企業側にもニーズがあり、メリットがあります。
さらに裏を返すと、企業側にニーズとメリットがあるということは、働く側にとっては厳しい面も多いということです。まず、出身企業からの受注はいつ途切れるかわかりません。長く続くかもしれませんし、もしかすると今回限りかもしれません。フリーランスとは、もともとそういうものです。一方、どこから受注するのも自由です。かつてのライバル企業もクライアントになるかもしれません。要は、本人の実力次第です。
一般的に、フリーランスの悩みどころは「受注」です。いかに専門能力に優れていても、案件受注できなければ能力の活かしようがありません。何らか営業活動が必要になります。近頃ではミドルシニア層向けに特化したマッチングサービスもありますが、職種としてはITを対象としたものが多いようです。
フリーランスの収入は不安定であり、稼げるのかどうかは人それぞれ。しかしフリーランスになるリスクは、それくらいだとも言えます。特に60代後半、「収入は二の次で構わないから、キャリアやスキルを活かした仕事を続けたい!」と考えるなら、チャレンジする価値があるのではないでしょうか。







