「あんなに好きだったのに、なんで相手にがっかりしてしまうんだろう」「せっかく付き合えたのにケンカばかり」「付き合った途端、急激に気持ちが冷めてしまった」と恋愛に悩む人におすすめなのが書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)だ。本書は、神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍する著者が、「感情や欲望に振り回されずに生きる方法」を、脳科学・心理学・哲学の視点から解説。恋愛に関する章では、自分の感情に振り回されずに、確かな愛を築いていく方法を紹介している。本記事では本書の発売を記念して、その内容を一部抜粋・再編集して紹介する。
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「あなた、変わったわ」
恋愛初期には相手を理想化する傾向が見られます。
まさに「あばたもえくぼ」で、ちょっとした欠点も魅力的な個性だと考えてしまうのです。
しかし、これはあくまでも恋愛初期に作動する心理的装置にすぎず、永遠に続くものではありません。
時が経つにつれ、恋愛初期に大放出されるドーパミンの魔法が解けて、相手のことをあるがままに見られるようになります。
理想と現実のギャップをまざまざと見せつけられるわけです。
「理想」と「現実」のギャップでどんどん冷めていく
社会心理学ではこうした状況を「認知的不協和」といいますが、理想と現実のギャップを目の当たりにするたびに、驚いたりがっかりしたりしながら、いつしか付き合い始めの頃の情熱も冷めていることに気づきます。
その瞬間、感情は一気にトーンダウンしていくのです。
「愛が冷めた」のではなく、「愛し方が変わっていく段階」
問題はこの変化を、「愛が冷めたのだ」と勘違いしてしまう点にありますが、そうではありません。
愛が冷めたのではなく、愛し方が変わっていく段階なのです。
この時期は、幻想が砕け散った空間に、「現実的な信頼」と「相手への思いやり」が入り込む準備運動をしている段階だと思えばいいでしょう。
「前のほうが良かったのに…」
こうした過渡期をうまく乗り越えられないカップルは、危機的状況へと向かっていきます。
とくに「がっかり」続きの場合、良かった頃と今を比べては「以前は良かったのに」と相手を責めてしまいがちです。
そんなとき、たいていは相手が変わったのではなく、相手に対する自分の期待値が変わっているのです。
簡単に言えば「期待のしすぎ」ですね。
この期待の不一致を相手側の問題にしてしまうから、相手もたまりません。
結局、気持ちが遠ざかり、最悪の場合は終焉を迎えます。
愛を長続きさせる方法とは?
このピンチをチャンスに変えるためには、期待ではなく現実に即した関係の再設計が必要です。
「なんで変わっちゃったんだろう?」という問いの代わりに「私たちの関係は今、どんな状態だろう?」と考えてみてください。
理想化の魔法が解けた跡地には、現実的な信頼と安定した親密感が育っていきます。
感情の姿は変わっても、関係はむしろ深まり、ゆるぎないものになっていくのです。
(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』から一部抜粋・再編集した記事です)









