公共交通機関の利用促進など
需要抑制に乗り出す国々

 だが、日本政府は需要抑制策に消極的だった。報道によれば首相周辺は「幅広く経済を冷え込ませる懸念がある。新型コロナの時のような活動のストップは避けたい」と語り、補助金でガソリン価格の抑制を優先している。急激な価格上昇から国民生活を守る施策だが、需給メカニズムから見れば価格抑制は需要促進を意味する。

 赤沢亮正経済産業大臣は7日の記者会見で、節電やガソリンなどの需要抑制は「重要物資の需給や価格などについて足元の状況を把握しつつ、あらゆる可能性を排除せず臨機応変に対応していく」と語った。自民党内や産業界からは需要抑制を段階的に進めるべきとの声も出始めていたが、現時点では具体化していない。

 石油類の需要抑制策を決定、検討した国々もある。例えば3月31日、リトアニアの運輸省は国内の鉄道運賃を5月末まで半額として、鉄道利用を促した。オーストラリアのアルバニージー首相も4月1日、戦争による経済的な打撃は数カ月にわたり続くとの見通しを示し、国民に対し公共交通機関の利用を呼び掛けた。

 同国のビクトリア州は4月の1カ月間は公共交通を無料に、タスマニア州は6月末まで通勤者の運賃を無料とするとしており、ガソリン税軽減によるドライバーの負担軽減と並行して公共交通への移行を促している。

 また、2日の韓国・聯合ニュースによれば、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が国土交通部に通勤時間帯の公共交通機関の混雑緩和策を講じるよう指示。大統領府関係者は、高齢者の地下鉄無料利用を通勤時間帯に限って制限することも検討していると述べている。

 この他、4月4日の読売新聞によれば、インドネシア政府は警察や医療などを除く行政機関で勤務する公務員は毎週金曜日を在宅勤務にし、公用車の使用半減や電気自動車の利用を促進するとした。フィリピン政府も公共交通機関の運賃減免や燃料費補助に取り組む姿勢を打ち出した。

 ちなみに、IEAは加盟国に90日間の備蓄を義務付けており、石油輸入依存度が100%の加盟国の備蓄日数平均は170日だという。韓国は日本と同等の200日以上の備蓄を備えているが、上記の議論に着手している。