ガソリン価格の上昇で
消費量はどれだけ減るのか

 では、日本で同様の対応を行った場合、どのような影響があるだろうか。補助金を取りやめガソリンの需要抑制(車の利用控え)を促すとともに、移動を鉄道・バスなど公共交通機関への転換を図るケースを考えてみよう。

 興味深い論文がある。2008年にアメリカ予算局(CBO)が発表した「Effects of Gasoline Prices on Driving Behavior and Vehicle MarketsI(ガソリン価格が運転行動と自動車市場に与える影響)」は、2003年から2007年にかけてガソリン価格が倍増したことがドライバーに与えた影響を分析している。

 論文によれば、ガソリン小売価格が10%上昇した場合、ガソリン消費量は短期的には0.6%、長期的には4.0%減少する。また、代替的な公共交通ネットワークが整備されている道路では、ガソリン価格が1ガロンあたり50セント(2007年レートで3.8リットルあたり60円)上昇するたびに、平日の高速道路利用移動回数は0.7%減少し、公共交通に転換した。

 これはアメリカの平時における中期的なガソリン価格上昇の影響を分析したものであり、今回のような突発的事態との比較は困難である。だが、需給メカニズムからみても価格上昇が需要を引き下げるのは間違いないことで、「危機」を意識して行動する分、抑制効果がより大きくなるかもしれない。